全教北九州市教職員組合(全教北九州)
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(2021年)3月31日、改正義務教育標準法が参議院本会議で全会一致で成立し、小学校の全学年で35人学級が実施されることが正式に決定しました。。学級編成基準の改正は実に40年ぶりで、その時は45人学級から40人学級への変更でした。10年前に1年生だけが35人学級になったものの、遅々として進んでいませんでした。これまで全国教育署名などに取組み、積み上げた署名数は32年間で4億6千万人分です。

昨年は3月からの突然の臨時休校のあと、感染防止のための分散登校が実施されました。その間、初めて少人数学級を実感した教員や子ども達。感染の不安もない、子どもの様子をよくみとることができる、たくさん発表ができる、こんなに先生と話したのは初めて!そういう声が集まりました。また不登校だったこどもさんが、少人数なら抵抗が少ないと登校できるようになった事例もありました。そこで全国で20人学級をめざそうという声が高まりました。

昨年度はコロナ禍でPTAの活動も皆無に等しく、なかなか署名が集めにくい状況でしたが、労働団体、市民団体のみなさまのご協力のおかげで北九州でも署名を集めることができました。改めてお礼を申し上げます。

また、北九州市では国に先駆け、今年(2021年)度より全学年で35人学級が実現しました。40年前の40人学級実現のときにも、北九州市が先陣を切りました。少人数学級の長い長い運動の歴史を感じます。

今回の義務教育標準法の改正は大歓迎です。しかし、問題点も多くあります。

これらを解消するために、次なる運動に取り組んでいきたいと思います。

今、教員をめざす学生が減っています。教師という仕事の魅力を語れる学校でなければなりません。

一方、コロナ禍でGIGAスクール構想も一気に進んでいます。

北九州市ではすべての小中学校特別支援学校にタブレットの配布が終わり、使用も始まっています。子どもたちはICT機器の操作の覚えは早く新しいもの好きですから、教育のツールとして使う分には全面否定はしません。しかし数年後には、デジタル教科書の導入も予定されています。

学習のほとんどがデジタルツールで行われるようになることを危惧します。ますます授業方法は画一化され、教科書も出版する会社が減って国定教科書に近づき、教育の自由や教師の裁量部分が減っていきます。果ては、デジタル機器をうまく操ることができる教員がいればよいということになりはしないか?体験や操作という発達の基盤になることが減りはしないか?視力を始め健康問題に影響はないのか?問題は山積みです。

教員という仕事を守るためにも、子どもたちの健やかな発達を守るためにも、教育のデジタル化には目を光らせていかなければなりません。

学校という場は社会の縮図です。親の経済格差が教育格差にもつながります。今後とも、みなさまと力を合わせて運動を進めてまいります。ともに頑張りましょう。