2019年12月の臨時国会において、都道府県・政令市の条例によって、公立学校に「1年単位の変形労働時間制」を導入するための「給特法一部改正法」が可決されました。
導入の前に、文部科学省は、教員の時間外労働を月45時間に抑えるという条例・規則をつくるように地方公共団体の教育委員会に通達をだしています。この条例等によって、教員の時間外労働を抑え、「1年単位の変形労働時間制」が導入できるように地ならしを行うためです。実態として時間外労働がない業種にしかこの制度は導入できないからです。
しかし、そもそも教員には超勤4項目以外の時間外労働を命じてはいけないとなっているため、給料の4%が調整額として加算されているだけで時間外労働手当はついていません。今ですら「定額働かせ放題」になっている現状で、業務量を抜本的に減らさない限り時間外労働は減ることはなく、時短ハラスメントや「在校時間の粉飾」が行われることは火を見るよりも明らかです。
また、それを土台に導入しようとしている「1年単位の変形労働時間制」は繁忙期の勤務時間を伸ばし、増えた分を夏休みに「休日のまとめどり」をさせるというしくみです。これが導入されれば、ますます職場から帰りにくくなり、時間外労働の実態が覆い隠され、8月の夏休みを迎える前に力尽きてしまうことが予想されます。
学校現場で働くものが求めていることは、8時間働けば帰宅でき、家族や自分のために残りの時間を使えるようになることです。そのためには先生を増やす以外に道はないと誰もが思っているのに、それに手を付けることはありません。
全教北九州市教職員組合は、条例を制定させず学校現場に「1年単位の変形労働時間制」を導入させないとりくみに全力をあげます。ぜひ署名にご協力をお願いいたします。
超勤4項目とは次の4つの項目です。
- 校外実習その他生徒の実習に関する業務
- 修学旅行その他学校の行事に関する業務
- 職員会日に関する業務
- 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合、その他やむを得ない場合に必要な業務