「新聞全教北九州」9月号でお伝えしたように、官民の労働組合が一体となり展開した社会的な賃金闘争によって、今年は再任用を含む全世代での賃上げが実現しました。特に初任給は2万円台後半の大幅引き上げとなりました。しかし、この賃上げでも物価高に追いつかず、課題は残ります。数は力です。物価高を上回る賃上げを実現するために、組合にご参加ください。
物価高を上回るにはさらなる賃上げが必要
会計年度任用職員の病気休暇が有給に改善
全教北九州では、会計年度任用職員の処遇改善をさまざまな機会で要求しています。今年は、会計年度任用職員(スクールサポートスタッフ)場合は、1時間当たり1045円(地域手当を含む)から1177円に132円アップするなど大きな改正がおこなわれます。
12月2日、人事院は、「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」の一部を改正しました。この改正で病気休暇が有給となりました。全教北九州はこれにもとづいて会計年度任用職員の処遇を改善するよう求めました。あわせて賃上げによる差額は年内に支給することも求めました。
大幅な差額支給でも物価高には追いつかない
給料については、給料表アップ分×9ヵ月分(4月から12月)基礎として、調整額等を含まない額となります。ボーナスは給料表アップ分×4.6月分、再任用の方は給料表アップ分×2.4月分を基礎として調整額等を含まない額となります。したがって、各種手当などが加算された支給額はさらに多くなると思います。(控除額がありますので個人により変わります)
これだけの大幅な差額支給は約30年ぶりとなります。差額支給が年内にできない自治体もあるようですが、北九州市は12月25日支給に向け動いているようです。
しかし、物価に目をやるとガソリンなど補助金の額が下げられたため、早くも小売り価格が5円以上値上がりしています。灯油も18リットルで2000円以上となっています。野菜の高騰も続いています。米も5キロで2千円台から3千円台へと上がっています。今回の賃上げでも物価上昇を上回ることはできていません。
2025年の春闘に向け、官民一体で物価高を上回る賃金引き上げの世論を盛り上げていかなくてはなりません。
差額の目安
給与表 (モデル給与) | 改善前 | 改善後 | ボーナス増加分 | 差額目安 |
---|---|---|---|---|
23歳 2級17号給 | 227,700 | 254,600 (+26,900) | 123,740 | 365,840 |
35歳 2級65号級 | 331,800 | 348,100 (+16,300) | 74,980 | 221,680 |
45歳 2級105号 | 388,000 | 393,500 (+5,500) | 25,300 | 74,800 |
55歳 2級145号 | 406,200 | 411,500 (+5,300) | 24,380 | 72,080 |
再任用教職員 2級 | 279,400 | 286,300 (+6,900) | 16,560 | 78,660 |