2021年11月15日
本年度の給与改定交渉の最終の回答を受け、全教北九州市教職員組合を代表して意見を述べます。まず、今回の改定交渉では、私たち全教北九州の要求に対し、真摯に対応していただきありがとうございます。
今年度も月例給は据え置き、一時金は-0.15月削減となり、コロナ禍で奮闘する自治体職員並びに教職員にとっては残念な結果となりました。特に教員は、緊急事態宣言も明けたこの秋、今まで行われなかった諸行事や校内研究が畳重なるように続き疲弊した状況の中、わずかの教職調整額の他残業手当も出ず、回答に納得がいかないことは何度もお伝えした通りです。
休暇制度に関しては。新しい病気休暇制度の新設、不妊治療の休暇制度の新設、会計年度任用職員の待遇改善等、働きやすい職場づくりに向けての要求を実現できました。また、育児休暇の改定に関しても検討中ということで、ワークライフバランスの充実に向けて、我が子と向き合える時間の確保を早期に実現していただけるようお願いいたします。
しかし、ワークライフバランスは若い世代だけが対象ではありません。
2023年度に60歳になる者から定年が段階的に引き上げられます。定年延長が完成するまでは俸給月額は7割に引き下げられ、ボーナス等を含めた年収ベースでは6割以下になるとも言われます。また、「働き方改革」と言いながら、長期間過密労働は依然改善されないままです。多くの教職員からは「この待遇、劣悪な労働環境では65歳まで働き続ける自信がない」等の不安や不満の声があがるのも当然です。定年延長を見越し、勤務時間削減や子育て支援、介護休暇等の制度等の拡充は喫緊の課題であるとともに、その実現は行政・市教委の使命であると考えます。
この間全教北九州市教職員組合は、健康で安心して働き続けることができる労働環境実現に向け、要求項目を挙げて交渉を行ってきました。今年度の最終回答をもっても、全教職員に勇気と希望を与える制度改正とはいえません。
今日からは、制度改正を待たずともできることー例えば、穴があいている教職員の補充をすぐに行う、小学校で年休や病休で休んだクラスへの補欠体制を整える、年休取得を個人任せにせず校内の取組として確立させる、45分間の休憩が取れるよう時程の工夫を校長にさせてチェックする、研究授業の見直しを図るなど、委員会と管理職の力でできることをすすめていっていただきたいと切に希望します。そして来年度の交渉では、新たな前進がありますよう期待します。
今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。