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2020年度 確定交渉最終回答に対する執行委員長最終意見

2020年11月19日

本年度の給与改定交渉の最終の回答を受け、全教北九州市教職員組合を代表して意見を述べます。まず、今回の改定交渉では、私たち全教北九州の要求に対し、真摯に対応していただきありがとうございます。今年度の一時金0.05パーセント削減は残念ですが、給与のマイナス改定が行われなかったことは、コロナ禍で奮闘する地方公務員にとって当然のこととはいえ、安堵したところです。また、会計年度任用職員の期末手当支給の対象拡大や、早出遅出勤務の対象拡大は、大いに歓迎するべきことであり評価するとともに感謝いたします。

しかし、今年度の改定交渉全体を通してコロナ禍による自粛ムードは否めません。人事制度においてすべての職員の働く士気につながるような改定がないとは、ワークライフバランスを推進する本市でありながら大変残念な結果です。働きやすい職場環境、健康を維持し、子育てや介護、病気治療等と両立できる職場環境を構築するためにも、来年度は前進ある回答を期待します。

今年度は、在校等時間の上限45時間の条例のもとでの初めての交渉であり、多くの時間を使って教職員の長時間過密労働について意見を述べてきました。給特法のもとで労働に見合わない給与しか受け取れない教員にとって、残業手当が出ないのであれば残業をしなくてもよい業務量に減らす、そのために人を増やすか仕事を減らすかを要求することは当然のことです。それがすぐにできないのであれば、割振りを求めることも当然のことです。残念ながら交渉においては、私たちが納得できる回答はありませんでしたし、この間にもGIGAスクールに関連する業務がどんどん増えてきています。また、中央教育審議会諸島中等教育分科会の中間まとめでは、「すべての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと共同的な学びの実現」について報告されています。この中では、個別最適な学びを進めるために、教師が、学習履歴(スタディログ)や生徒指導上のデータ・健康診断情報等をICTの活用により蓄積・分析・利活用しつつ、児童生徒の興味関心や悩みなどを丁寧に看取り、個々の状況をふまえて指導する、と述べています。言うはやすし行うはかたし、とはまさしくこのようなこと。今のこの職場環境で、この人員で、この業務量で、時間外手当ももらわずに、こんなことが教員にできるわけがありません。

教員個々人の自己責任に追いやるのではなく、行政の責任として解決に向けて方策をとっていただきたいと思います。また、「時短ハラスメント」の横行については事例を挙げてお伝えしました。管理職への丁寧な指導を行っていただきたいが、背景にある「学力テスト体制」や「GIGAスクール構想」も含めて、教育委員会内の横断的な話し合いによる解決を求めます。

また、今もなお定数欠があり、教育に穴があいています。これでは、野球を8人でやっているのと同じです。この状況で責任をもって豊かな教育ができるでしょうか?この教員不足問題を解決するためにも、教職員の待遇改善は急務です。特に近隣の福岡県、福岡市に劣ることない待遇を求めます。

価値ある話し合いを今後との継続していくことを要求し、私からの意見とします。

今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

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