神戸市で発生した小学校での教諭間のいじめ事件について、全教北九州市教職員組合の見解と決意です。(新聞全教北九州2020年3月号紙上で発表。)
神戸市での教諭いじめ事件について、全教北九州市教職員組合はこう考えます
問われる「同僚」観
学校は本来、いろんな先生がいて互いに協力・共同しあいながら、全職員で教育をすすめていくところです。今、私達には「子どもをどうみるか」だけでなく、共に教育の営みを行っていく仲間としての「同僚をどうみるか」が、厳しく問われています。
学校には多様な教職員がいます。年齢や性別・性格だけでなく、得意とする教科も、教え方も、子どもとの接し方まで、一人ひとり違います。教師として人間として、それぞれの個性を認め尊重し、互いに協力し合って教育にあたっていく。そのようなぬくもりのある集団の中でこそ、子どもたちの育つ豊かな教育活動は生まれます。
事件の背景にあるもの
同僚への集団によるいじめが起こった背景には、成績主義・効率主義・過度な競争主義があります。
これらの下では、指導の不十分さが攻撃の材料となり、未熟さが「自己責任」にされてしまいます。
さらに、常態化する教職員の長時間過密労働と多忙化の問題もあります。教職員間で人間らしいコミュニケーションの時間が奪われ、過度なストレス状態になり、そのはけ口として「いじめ」や「攻撃」が繰り返されたのではないでしょうか。
互いに尊重し語り合おう
学校は、子どもたちの成長、発達を保障する場です。一人ひとりの教職員は、目の前の子どもたちの実態から出発し、成長と発達を保障するために日々奮闘しています。
悩みや困難があれば、一人で抱え込まず、周りの仲間を信頼し相談しましょう。その解決のために、みんなで知恵を出し合いましょう。
子どものいのちを守り、人間として大切にされる学校づくりをすすめていくために、職場の仲間を「同僚」として尊重し、率直に語り合う共同のとりくみをすすめていきましょう。
管理職は職場のリーダーとして責任を
管理職には「子どもと教職員がいきいきと育ちあう学校」づくりのために、職場のリーダーとしてその責任を果たすことを求めます。
教育委員会は教育条件整備に尽力を
教育委員会には、学校が教育の営みを豊かに創り上げていくうえで大切な教育条件整備に力を入れることを求めます。
私たちの決意
私たちは、ぬくもりが通い合う学校、真に子どもたち保護者から信頼される学校づくりのために全力を尽くします。