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全教(全日本教職員組合)第41回定期大会で採択された大会アピールをご紹介します。(リンクは全教北九州で追加したものです。)


元日に起きた能登半島地震では、平成の大合併で広域化した自治体が、住民一人ひとりを守る施策が展開できず、被害状況の把握や復旧の大幅な遅れが目立っています。厳冬のさなかに1万4千人以上の方々が不自由な避難所に身を寄せ、災害関連死が増え続けています。被災者のいのちと健康を守り、奪われた住まいと生業を再建させることは政府の大きな役割です。

教育現場は、依然として長時間過密労働が続き、教職員未配置問題はいっそう深刻な状況です。全教は「このままでは学校がもたない!子どもたちの成長が保障され せんせいがいきいきと働くことができる学校をつくる」として7つの提言をまとめました。教職調整額の増額とメリハリある賃金制度の導入等で長時間労働は抑制できません。時間外手当を支給するしくみづくりは絶対不可欠です。そして義務・高校標準法を改正し、教職員定数増と少人数学級の推進、小学校教員の持ちコマ数の軽減は喫緊の課題です。

全国学テや受験競争に象徴される過度な競争、財界が求める「グローバル人材」育成に呼応した文部科学省による「資質・能力」論は、教育の本質を歪め、子どもの育ちに大切な「子ども期」を奪っています。登校拒否・不登校、いじめ、暴力行為の件数は過去最多となり、子どもたちの生きづらさを表しています。「教育DX」は学校の市場化を急速に促進させ、教職員増でなく、ICTで問題を解決しようとしています。また全国各地に広がる高校再編や統廃合から地域の学校を守る運動が広がっています。民営化・統合化もコスト削減を理由に強力に推し進められています。公教育の果たすべき役割を見つめ直し、学校のあり方を問い直すときです。

ロシアがウクライナ侵攻を始めてから2年、さらにイスラエルによる大規模な無差別報復攻撃に、多くの民間人や子どもたちが犠牲になっています。このような情勢を背景に、岸田政権は、任期中の改憲に固執し、先制攻撃を可能とする敵基地攻撃能力の保有など、5年間で43兆円の防衛費増大の大軍拡と「安保3文書」の具体化を急速にすすめ、「戦争する国づくり」にまっしぐらです。「戦争の準備ではなく、平和の準備を」、「軍事費の拡大ではなく、教育・社会保障の拡充を」は、国民的な願いです。「教え子を再び戦場に送るな」の決意のもと、戦争終結と平和の実現を強く求めていきましょう。

いま労働組合は社会的に注目され大きな期待が寄せられています。ストライキを背景にしたたたかいが、23国民春闘 で賃金引き上げの世論と流れをつくり出しました。さらに24春闘 に向け、賃金と物価高騰から生活を守り、大幅な賃上げ・底上げを求めています。「非正規春闘」として臨時的任用教員や会計年度任用職員の待遇改善、雇用を守るたたかいも求められています。労働基本権の回復をめざし、国・地方自治体、職場の各段階で、労使対等で交渉により要求の実現をめざしていくときです。また教職員の要求実現のために、政治変革を求めるとりくみも豊かに語られました。

今年は、子どもの権利条約 批准30年の節目の年です。さらにジェンダー平等の視点はますます重要性を増しています。誰もが性別にかかわらず個人の尊厳が大切にされ、自分らしく生きることを意味しています。子どもたちが人間として大切にされ、学ぶ喜びに満ちた学校にしていくためには、ゆとりと自由が保障され、教職員が本音で語り合える職場づくりが必要です。職場を基礎に、要求実現の当事者として仲間になろうと、全教の意義と役割を語り、率直に加入を呼びかけ、人間的なあたたかなつながりの中で、粘り強いとりくみが続けられてきたことが、大会発言で豊かに交流されました。

いま組織拡大・強化は最重要課題です。すべてのとりくみを拡大・強化と結んで、10万人対話と1割拡大をめざし、増勢に転ずるために、各組織における計画と、年度末に向けた未加入者との対話を旺盛に繰り広げましょう。ともに要求を実現していこうと呼びかけ、「春の集中月間」に向けて、「増やす人を増やし」、なかまを増やす粘り強いとりくみが必要です。そして、教職員に寄り添い支え合う全教共済の現勢回復を追求しましょう。 現場の困難さを「教育大運動1741」のとりくみで広範な保護者や国民に広げ、大きなうねりをつくり出すことが求められています。私たちのとりくみが要求実現の前進を果たしていることに確信をもち、「いまこそ組合の出番」と全教に結集し、憲法をいかし子どもの成長・発達を保障する民主教育を前進させるために、仲間とつながり全教を語り広げ、ともに奮闘しましょう。

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