2024年10月19日から20日に開催した全日本教職員組合第70回中央委員会において、「全教ジェンダー平等宣言」が採択されました。宣言の全文を紹介します。
はじめに
私たち全教は、日本国憲法と子どもの権利条約にもとづき、すべての子どもが主権者として成長発達するための教育と、すべての教職員の要求実現に向けてとりくみをすすめています。
私たちの社会には、「らしさ」の押しつけやジェンダーバイアス、性的役割分業、働く場における賃金や昇進などの男女間の格差や差別が根強く残っています。これらを克服し、性別や性自認、性的指向にかかわらず個人として大切にされ、自由に生きることができる社会を実現するには、教育の場にジェンダー平等を根付かせることが必要です。
学校教育とジェンダー平等
学校は、子どもたちの差別や偏見を乗り越える力を育てる場となる大きな可能性を持っています。教職員はなかまとともに学び合うことで差別や偏見を克服するとともに、ジェンダー平等の視点を大切にして、教育実践や研究活動をすすめる必要があります。そして包括的性教育をはじめ、教育活動全般にジェンダー平等をつらぬいていくことを重視します。
学校の職場環境
私たちは、だれもが働きやすい職場をもとめて、母性保護や仕事と子育て・介護の両立を支える制度等の、権利の獲得と差別の解消に向けた運動をすすめてきました。これからもすべての教職員が性別や世代、経験に関係なく必要な権利を行使でき、自分の力を発揮できる、公平でハラスメントのない職場づくりに努めます。
教職員組合とジェンダー平等
だれもが参加しやすい組合活動のあり方を追求します。多様な参加方法やつながり方の工夫を交流します。家庭におけるケアの事情や生活スタイルの違いを尊重し、さまざまな状況にある人の声を集め、民主的な組合活動をおこないます。
ジェンダー平等と平和・人権・民主主義
ジェンダー平等は平和、人権、民主主義の実現と深くつながっています。それぞれの違いを尊重し、学び合い、対話によって互いの存在を認め合うことを、すべての教室や学校で実践し、平和への道を歩みます。
私たちは次の通り行動します
- あらゆる場面でジェンダー平等を実現するために、学び合い、対話し、ともに行動します。
- ジェンダー平等を推進する教育実践や研究活動を交流・推進します。
- 学校のジェンダー平等をすすめ、ハラスメントを根絶します。
- 経験や性別にかかわらず、だれもが参加しやすい組合活動をめざします。
- ジェンダー平等の実現にむけて、広範な市民・労働者とともに行動します。
私たち全教は、だれもが自由に、個人として尊重され、平和で公正な社会の実現に向けて、全力でジェンダー平等にとりくむことをここに宣言します。