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新聞全教北九州2024年3月号

航空自衛隊は2月28日、地対空ミサイル「PAC-3」の展開訓練を福岡市東区の「海の中道海浜公園」で行いました。空自によると、自衛隊や米軍関連施設以外で実施するのは全国8例目で、福岡県内では初といいます。

目次

戦争を放棄した国で着実に進む戦争への備え

進む南西諸島・先島諸島の「要塞化」

「台湾有事」への備え・島嶼防衛力強化として、南西諸島・先島諸島では部隊の新設・転入、基地の新設など自衛隊の強化が行われています。また23年6月、航空自衛隊は北朝鮮のミサイルに備えとして、石垣島の基地が建設中であることを理由に石垣港「南ぬ浜町新港地区」に「PAC―3」を展開しました(9月に基地内に移動)。この地区は旅客船ターミナルやマリーナ、人工ビーチ、石油・ガス関連施設の集約地、物流拠点など、さまざまな機能を有し、自衛隊誘致に賛成した住民でさえ、生活や安全への影響を不安を感じたといいます。

戦時利用に合わせたインフラ整備

22年12月に決定された「安保3文書(国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画)」に基づき、軍事利用に適した空港・港湾を「特定利用空港・港湾」に指定し、改修・整備を始めようとしています。「特定利用空港・港湾」の候補地は九州が多く、北九州空港も入っています。

1月29日に「日本平和委員会」が政府(国家安全保障局、防衛・外務・国土交通省)と交渉を行い、計画の中止を求めました。政府側は、「(計画は)あくまでも民生利用を主としつつ、あわせて自衛隊などのニーズに合った改修・整備を行うもの」「戦時に優先利用するとは一概には言えない」等と述べましたが、「特定利用空港・港湾」が「平素から訓練で使用することによって有事の際に空港・港湾を円滑に利用できるようにするため」だとも認めました。そして「自治体が拒否すれば指定することはできない」と明言しました。

まずは「有事」を招かない外交努力

また、政府が「国民保護法」に基づき検討中の先島諸島から九州各県と山口県に約12万人を避難させる計画があります。今後、各県と協議を進めて移動手段や県別の避難人数を確認し、24年度中の決定を目指しています。計画は必要なのかもしれませんが、まずは「有事」を招かないための外交努力が必要です。また、私たちも常に情報に敏感になっておきたいものです。

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