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新聞全教北九州2021年1月号

文部科学省は、これまで特別支援学校の設置基準を策定しませんでしたが、2020年10月7日に発表した中教審「中間まとめ」で、初めて特別支援学校の設置基準策定に言及しました。

全教・教組共闘連絡会議などの幅広い運動の成果ですが、文部科学省は設置基準を「努力義務」とする方針です。子どもたちの教育条件と教職員の働き方の改善のためには実効性のある設置基準が必要です。

目次

特別支援学校の設置基準策定へ大きく前進

過大化・過密化する特別支援学校

小学校・中学校には学級の編成や校舎、運動場の面積などが定められ、校舎に備えるべき施設などを明記している設置基準があります。しかし特別支援学校では、障害種が様々あり、各学校の状況に応じた柔軟な対応が必要として、設置基準を定めていません。

そのため学校規模の2倍、3倍の子どもたちがつめこまれ、人権侵害ともいえる劣悪な環境での学校生活を強いられています。

全教北九州は全日本教職員組合(全教)・教組共闘連絡会議とともに、設置基準がないことが、特別支援学校の過大化・過密化を招いているとして、設置基準を求める署名活動、国会請願などを続けてきました。

実効性のある基準が必要

2020年10月7日に発表した中央教育審議会『「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(中間まとめ)』は、初めて特別支援学校の設置基準策定に言及しました。しかし文科省は、特別支援学校の設置基準を「努力義務」とする方針です。

全教北九州は、これまで教育環境の改善を求めてきましたが、「努力義務」では抜本的な改善は望めません。

全教・教組共闘連絡会と「障害児学校の設置基準策定を求め、豊かな障害児教育の実現をめざす会」は、『特別支援学校の過大・過密解消につながる設置基準の策定を~私たちが求める設置基準策定に向けての「提言」~』を2020年12月16日に発表しました。

提言では、児童生徒数の上限、通学時間の上限、必要な校舎・運動場・体育館等の面積規定等を設置基準に盛り込むよう提案しています。

次は実効性のある設置基準をめざします

なかなか動かなかった特別支援学校の設置基準策定が、幅広い運動により前進しました。実効性のある設置基準は、子どもの教育条件改善だけでなく、教職員の働き方の改善にもつながります。

実効性のある設置基準をめざして、全教北九州は、これからも運動を継続していきます。

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