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(広島から)日米両政府の、核兵器使用議論と「核の脅し」を求める発言についての情報公開を行うとともに、「拡大抑止」政策を否定し、核兵器廃絶を求める被爆者の願いを世界に発信することを求める

7月29日の「核の脅し」報道うけて原爆ドーム前(広島県広島市)で開催された広島県労働組合総連合(広島県労連)主催の抗議集会で採択された緊急アピールを紹介します。(憲法・平和・核兵器廃絶メールニュース第12号より)

掲載内容に関するお問い合わせは、全日本教職員組合 国民共同局までお願いします。


報道によると、日米両政府が米国の核兵器と通常戦力による日本防衛を話し合う定例協議で、有事を想定した机上演習を複数回実施していることが明らかになりました。そこでは外務・防衛当局間で、「米軍が核兵器を使用するシナリオが議論されている」とされています。これは、通常兵器にとどまらず、核使用にかかわる協議に踏み込み、日米が共同で「核の傘」強化にすすむものです。

さらに、自衛隊と米軍が昨年実施した「机上演習」で「自衛隊が米軍に核の脅しで対抗するよう繰り返し求めた」と報じられています。これは、唯一の戦争被爆国として核廃絶を訴える日本が有事に核による威嚇もいとわず、米中の緊張激化を助長させるものです。表では「核兵器のない世界を目ざす」としながら、裏で「核使用を想定していた」など被爆地ヒロシマは決して容認することはできません。

被爆80年を迎えるにあたって、被爆地ヒロシマ・ナガサキでは2025年原水爆禁止世界大会の成功にむけてあらゆる努力が続けられています。また、7月26日から広島に入った国民平和行進は炎天下の中、核兵器廃絶を訴えて歩みをすすめています。今回の日米両政府の核使用議論は、核兵器廃絶を願う被爆者や市民の願いに背くものであり、即時協議の中止と撤回を求めるものです。

今世界は、核兵器使用の危険と「核抑止」への依存が強まるなど、「瀬戸際」とも言われる危機的な状況にあります。ウクライナ侵攻に際してロシアの核兵器使用の威嚇、パレスチナ・ガザ地区へのイスラエルのジェノサイド、さらに、イスラエルとアメリカによるイランの核関連施設への先制攻撃など、核保有国による国連憲章を踏みにじる、許しがたい蛮行が行われています。

このような情勢だからこそ、日本政府はアメリカいいなりに大軍拡と「戦争国家」づくりを進めるのではなく、唯一の戦争被爆国として「核のタブー」を守りぬき、被爆者のメッセージを世界に伝える先頭に立つべきです。私たちは、以下のこと緊急に要請します。

  1. 日本政府は日米有事の際の核使用議論にかかわる情報を公開するとともに、「拡大抑止」政策を否定し、核兵器廃絶を求める被爆者の願いを世界に発信すること。
  2. 「日本の自衛隊が米軍に対して『核の脅し』で対抗するように再三求めていた」ことは「核戦争の準備を勝手に進める」ことであり、容認できない。このことについても情報を公開し、なぜ、このような事態になったか明らかにすること。
  3. 日本政府は早急に核兵器禁止条約に参加すること。
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