全教(全日本教職員組合)は、7月20日(日)投開票の参議院議員選挙にあたり、主要政党に対して、教育政策に関する5つの質問を5月1日に文書で行いました。設問と、期日までにお返事をいただいた各政党の回答は以下の通りです。また、後日回答をいただけた場合は随時更新していきます。
なお、お返事をいただけていない政党には7月4日に改めてお願いをしています。
参院選 各党の教育政策アンケート比較
全教が実施した教育政策に関するアンケートへの各党の回答を、設問ごとに比較できるようインフォグラフィックスとしてまとめました。
問1:高等教育までの無償化
国際人権規約に基づき、大学までの学費や給食費、教材費など教育全般を無償にすることについて
政党 | スタンス | 主な意見 |
---|---|---|
自由民主党 | 🟡 | ・多子世帯への支援拡大や授業料無償化など、既存の負担軽減策を着実に進め、取組の充実を進める |
公明党 | ➖ | (未回答) |
立憲民主党 | ✅ | ・大学など高等教育まで公教育全体を通じた無償化を進めるべき。 |
国民民主党 | ✅ | ・3歳からの義務教育化、私立を除く高校までの教育を完全無償化 ・給食費、教材費、修学旅行費なども無償に |
日本維新の会 | ➖ | (未回答) |
日本共産党 | ✅ | ・教育の無償化は基本的人権であり、軍事費を削り教育予算を抜本的に増やすべき ・大学授業料半額、入学金ゼロ、給食費や「隠れ教育費」も公費負担を推進 |
社会民主党 | ✅ | ・教育の機会均等は社会全体の利益。高等教育までの教育費、教材費、給食費の無償化を進めるべき |
れいわ新選組 | ✅ | ・教育は豊かな社会の土台。大学院までの学費無償化、給食費等の無償化は必要 |
参政党 | ➖ | (未回答) |
日本保守党 | ➖ | (未回答) |
再生の道 | 🟡 | 将来的には無償化すべきだが、まずは供給側への投資。私学の扱いは慎重な議論が必要 |
問2:教員の残業代支給と増員
長時間労働解消のため、残業代を支給できる仕組みを作り、業務量に見合う教員を配置することについて
政党 | スタンス | 主な意見 |
---|---|---|
自由民主党 | 🟡 | ・働き方改革の加速化と処遇改善を一体的に進め、教職調整額を大幅に引き上げる |
公明党 | ➖ | (未回答) |
立憲民主党 | ✅ | ・給特法の廃止検討、授業時数削減、部活動の地域移行、教員の大幅増員などを行うべき |
国民民主党 | ✅ | ・教員の働き方改革に取り組み、残業代不支給の根拠となる給特法は廃止を含めて見直す |
日本維新の会 | ➖ | (未回答) |
日本共産党 | ✅ | ・「教員残業代ゼロ制度」の廃止を要求。質問の趣旨と基本的に同じ考え |
社会民主党 | ✅ | ・給特法を見直し、労働基準法を適用すべき。正規教職員を増員すべき |
れいわ新選組 | ✅ | ・同じ考え。政府の現行解釈は違法。抜本的な教員増員と残業代の支払いを速やかに行うべき |
参政党 | ➖ | (未回答) |
日本保守党 | ➖ | (未回答) |
再生の道 | ✅ | 全面的に賛成、労働基準法に合わせるべき。補助的な専門員の配置が必要 |
問3:教員不足解消のための定数改善
「教育に穴があく」未配置問題を解消するため、義務標準法を改正し、教員の基礎定数を抜本的に改善することについて
政党 | スタンス | 主な意見 |
---|---|---|
自由民主党 | 🟡 | ・35人学級や教科担任制の拡大などを進めており、引き続き学校の指導・運営体制の強化・充実に取り組む |
公明党 | ➖ | (未回答) |
立憲民主党 | ✅ | ・子どもと向き合う時間を確保するため、教職員定数の充実を図るべき |
国民民主党 | ✅ | ・問2の回答に同じ |
日本維新の会 | ➖ | (未回答) |
日本共産党 | ✅ | ・問題の根本は長時間労働にあり、義務教育標準法等を改正し基礎定数を増やすことが重要 |
社会民主党 | ✅ | ・1学級20人目標、30人以下学級の早期達成を目指す。教職員定数を計画的に改善すべき |
れいわ新選組 | ✅ | ・同じ考え。加配ではなく、義務標準法の改正で基礎定数そのものを改善すべき |
参政党 | ➖ | (未回答) |
日本保守党 | ➖ | (未回答) |
再生の道 | ✅ | 質・量ともに充足が必要。必要な人件費を確保すべき |
問4:教育予算のGDP比引き上げ
教育条件を整備するため、教育予算の公的支出の対GDP比をOECD平均並みに引き上げることについて
政党 | スタンス | 主な意見 |
---|---|---|
自由民主党 | 🟡 | ・OECDの調査結果等も参考としながら、教育予算の確保を進める |
公明党 | ➖ | (未回答) |
立憲民主党 | ✅ | ・著しく低い日本の教育への公的負担を大幅に引き上げるべき |
国民民主党 | ✅ | ・教育は未来への投資。「教育国債」を創設し、教育・科学技術予算を年間10兆円規模に倍増させる |
日本維新の会 | ➖ | (未回答) |
日本共産党 | ✅ | ・軍事費を削減し、OECD平均並みに引き上げて、少人数授業や教員増員を進める |
社会民主党 | ✅ | ・教育予算の公財政支出対GDP比をOECD並みに引き上げるべき |
れいわ新選組 | ✅ | ・同じ考え。日本のGDP比はOECDで最低レベル。緊縮財政を改め、平均以上に引き上げるべき |
参政党 | ➖ | (未回答) |
日本保守党 | ➖ | (未回答) |
再生の道 | ✅ | 子ども一人当たりの支出額でOECDトップを目指す方が合理的 |
問5:憲法9条堅持と防衛費削減
憲法9条を残して平和主義を堅持し、防衛費を大幅削減して教育費に充てることについて
政党 | スタンス | 主な意見 |
---|---|---|
自由民主党 | 🟡 | ・自衛隊の明記など4項目を提示し、憲法改正の早期実現を目指す |
公明党 | ➖ | (未回答) |
立憲民主党 | ✅ | ・平和主義を空文化する自民党の9条改正案には反対 |
国民民主党 | 🟡 | ・緊急事態条項の創設を提案。9条については自衛権の範囲など具体的な議論を進める ・防衛力は強化すべきだが、増税による増額は行うべきではない |
日本維新の会 | ➖ | (未回答) |
日本共産党 | ✅ | ・憲法9条は「世界の宝」。軍拡をやめ、教育予算に回すべき ・戦争の準備ではなく、憲法9条を生かした平和の外交こそ必要 |
社会民主党 | ✅ | ・戦争ではなく教育に予算を重点配分すべき。9条を堅持し、憲法を活かした政治・教育を推進 |
れいわ新選組 | ✅ | ・賛同する。軍事費よりも教員の残業代支払いを優先すべき |
参政党 | ➖ | (未回答) |
日本保守党 | ➖ | (未回答) |
再生の道 | 🟡 | 防衛費の⼤幅削減や日米安保の見直しなどは戦争を誘発するリスクがある。教育費は全体のバランスを考慮して捻出すべき |
設問
- 日本政府が2012年に留保撤回した、国際公約である国際人権規約A規約第13条2項(b) (c)のもと、高等教育まで学費などの無償化、給食費や教材費も含めての、全般的な教育無償化が求められています。貴党はこれについてどのようにお考えか、教えてください。
- 私たちは、教職員の働き方に関して、長時間労働を解消するため、時間外動労に対して残業代を支給できる仕組みにして法的歯止めをかけるとともに、業務量に見合った教職員の配置を求めています。貴党はこれについてどのようにお考えか、教えてください。
- 私たちは、「教育に穴があく」(教職員未配置問題)の解消に向けて、義務標準法を改正し、教員定数を基礎定数から抜本的に改善することが必要と考えています。貴党のお考えを教えてください。
- 私たちは、さらなる少人数学級前進など、子どもたちにゆきとどいた教育を保障するとともに、教職員の処遇改善など教育条件整備をすすめるために、教育予算の公財政支出対GDP比をOECD平均並みに引き上げることが必要だと考えています。これについての貴党のお考えを教えてください。
- 私たちは「教え子を再び戦場へ送らない」のスローガンのもと、日本国憲法9条をそのまま残し、平和主義を堅持すべきと考えています。また、それに関連して防衛費の大幅削減を行い、教育費等に充ててほしいと考えています。貴党の憲法に対するお考えを教えてください。
アンケートを送付した政党
順不同です
よせられた回答
空白は掲載時点で未回答です。
日本政府が2012年に留保撤回した、国際公約である国際人権規約A規約第13条2項(b) (c)のもと、高等教育まで学費などの無償化、給食費や教材費も含めての、全般的な教育無償化が求められています。貴党はこれについてどのようにお考えか、教えてください。
- 自由民主党
-
家庭の経済事情にかかわらず、子供たちの誰もが、質の高い教育を受けることができるチャンスが平等に得られ、個性や能力を最大限伸ばせるようにすることが重要です。また、少子化対策の観点からも、教育に係る経済的負担を軽減することは重要です。
これまで、幼児期から高等教育段階まで、切れ目のない教育費の負担軽減策を進めてきており、特に、高等教育段階においては、令和6年度から、多子世帯等の中間層への支援拡大等を行い、令和7年度からは、多子世帯は所得制限なく、一定の額まで、大学等の授業料・入学料を無償化しました。
これらの施策を着実に進め、引き続き、教育費の負担軽減に係る取組の充実を進めていきます。
- 公明党
- 立憲民主党
-
家庭の経済力に左右されず、誰もが同じスタートラインに立てる社会の実現を目指し、教育の無償化を推進すべきです。旧民主党政権下で所得制限のない高校の授業料無償化を実現し、2012年には国際人権規約A規約第13条の留保の撤回を決断し国際的に中等・高等教育を漸進的に無償化する責務を負うことを明確にしてきましたが、さらに、大学など高等教育まで公教育全体を通じた無償化を進めるべきです。
- 国民民主党
-
すべての子どもが人生の平等なスタートラインに立つため、0~2歳の幼児教育・保育無償化の所得制限を撤廃するとともに、義務教育を3歳からとし、高校(私立除く)までの教育や子育てにおけるあらゆる施策を完全無償化します。
- 0歳児の見守り訪問無料(おむつ・ミルク定期便)
- 18歳までの医療費無料
- 小中学校給食無料(地産地消や有機食材を推進)
- 公共施設入場料無料
- 第1子からの保育料無料
- 産後ケア無料
- 乳幼児育児中の休息支援サービス (レスパイト)無料
- 障がい児福祉無料
- 妊婦健診 (オプション検査) 無料
- 新生児スクリーニング検査無料
- 学童保育・おやつ代無料
- 教材費や修学旅行費等無料
- 日本維新の会
- 日本共産党
-
国際人権規約が求める全般的な教育無償化は基本的人権であり、世界が目指すべきものです。
私たち日本共産党は、世界でも格段に少なく、拡大する軍事費とひきかえに減らされている教育予算を抜本的にひきあげ、高等教育までの学費等の無償化、小・中学校の給食費・学校教育費や教材費も含めた義務教育の完全無償化をもとめます。
教育予算を削り国民に負担させる、「受益者負担」主義の自民党政治をのりこえ、国の予算投入で学費値上げ中止・授業料半額、入学金ゼロを実現します(専門学校含む)。また、給付制奨学金の拡充、私立高校への私学助成の投入とあわせた無償化の拡充(学費だけでなく、施設整備費なども対象)、公立小・中・高校の教育の充実とあわせ、義務教育での給食費無償化、教材費・制服代・修学旅行費などの”隠れ教育費“の公費負担などをすすめます。
- 社会民主党
-
教育の機会均等は教育を受ける個人だけでなく、社会全体の利益につながります。教育予算を確保し、高等教育までの教育費、教材費、給食費などの無償化をすすめるべきです。
- れいわ新選組
-
教育は未来を担う人々のためにあり、教育を保障することが、豊かな社会の土台になります。大学院までの高等教育の学費無償化給食費等の無償化は必要な教育条件です。教育費負担を個人に押し付け、国の財政支出を絞ってきたこれまでの政策を変えるべきです。
- 参政党
- 日本保守党
- 再生の道
-
将来的に無償化していくべきだが、まずは供給側への投資が急がれる。なお、少⼦化が進⾏する中、私学の扱いについては慎重な議論が必要。
私たちは、教職員の働き方に関して、長時間労働を解消するため、時間外動労に対して残業代を支給できる仕組みにして法的歯止めをかけるとともに、業務量に見合った教職員の配置を求めています。貴党はこれについてどのようにお考えか、教えてください。
- 自由民主党
-
給特法は、教師の仕事が日々の研究や自己研鑽の積み重ねの上に成り立っていることを踏まえ、 教師の裁量性を尊重するために制定されたものですが、今日においても先生方が学校内外で大変なご努力を重ねておられることには変わりありません。
給特法の目的を踏まえつつ、時間外在校等時間の縮減を徹底して進めるとともに、先生方が児童・生徒に向き合う時間を確保するため、 教職員定数の改善など指導・運営体制の充実と合わせ、ICT を活用した業務効率化などの働き 方改革の加速化と、教師の処遇改善を一体的に進めます。また、優秀な人材が学校現場により多く集まるよう教職調整額の大幅な引き上げを行います。
- 公明党
- 立憲民主党
-
学習指導要領の見直しによる年間総授業時数の削減、給特法の廃止の検討( 処遇改善)、部活動の地域社会への移行、少人数学級の推進、教員の大幅増員、加配教員やスタッフ職の増員による持ち授業時間の上限設定等を行うべきです。
- 国民民主党
-
設問2と3あわせて下記の通り回答します。
学校教員の長時間労働の是正等、働き方改革に取り組むとともに、給特法(教職調整額を支給する代わりに、超勤手当を支給しないと定める法律)は、廃止を含め、見直します。
- 日本維新の会
- 日本共産党
-
私たちは、教員の長時間労働を、日本にとって優先的に解決すべき課題の一つと考えています。
精神性疾患の病休者数が30年間で7倍と教職員の心身が蝕まれ、授業準備や子どもと向き合う時間がとれず教育が劣化し、教員の成り手が減って「教員不足」を引き起こす 教員の長時間労働は、公教育の存立に関わる事態です。
日本共産党はその立場から、政策「このままでは学校がもたない 『教員残業代ゼロ制度』の廃止、授業にみあった教員定数を 」を今年1月に発表しました。
みなさんの「残業代を支給できる仕組み」「業務量に見合った教職員の配置」という要求は、私たちの政策と基本的に同じです。 詳しくは、同政策をお読みください。
通常国会では、わずかな教職調整額と引き換えに教員残業代ゼロ制度を固定化する、政府の給特法改定案と正面からたたかいました。そのなかで、「超勤4項目以外の時間外勤務は、労働時間でない」という文科省の見解が、最高裁の判例などに照らし成り立たない詭弁であり、破綻していることを示すとともに、「45分の法定休憩時間をとらせていないのは違法」と認めさせました。政府改定案に、自民・公明・立民・国民・維新の与野党が修正案を提出しました。
それは、これまで文科省の裁量行政の範囲にとどまっていた「在校等時間」を法律に格上げすることで、公立学校教員に適用されている労働基準法の労働時間法制を曖昧にし、月30時間もの「時間外在校等時間」を合法化させるなど深刻な問題をかかえています。
私たちは、「教員残業代ゼロ制度」の廃止と授業にみあった教員定数を勝ち取るまで、多くのみなさんと力をあわせて闘いぬく決意です。
- 社会民主党
-
教員に労働基準法37条を適用することで長時間労働を是正し、教員の本来的な仕事の質を高め、教育の質的向上をはかります。そのためにも、給特法を見直すべきだと考えます。
また、教職員の定数改善などによる正規教職員の増員をするべきです。
- れいわ新選組
-
同じ考えです。
現在、政府や多くの政党が給特法があるから残業代が支払えないかのような主張をしていますが、教育予算をしぼりたいがための理屈でしかなく、かつ、現状の給特法と労基法の違反状態をぬりかくす違法な解釈です。
政府は、超勤4項目以外の時間外労働はさせてはならないとする給特法を早期に遵守できるよう抜本的な教員増員を行うとともに、労基法32条の「労働時間」に該当する「時間外在校等時間」について速やかに残業代を手当てし、労基法違反状態を解消するべきです。
また、教員の多忙化・長時間労働の根本原因にメスをいれないで、残業代を払えばいいというものではなく、標準授業時間数を削減し、「カリキュラム・オーバーロード」(教える内容の過積載)の状態を改善する必要があります。
なお、この4-5月、衆議院文科委員会で残業代を支給すべきという観点から給特法質疑を行いましたので大石ブログ でぜひご参照ください。
- 参政党
- 日本保守党
- 再生の道
-
全面的に賛成。他の業種に劣後しない環境となるよう労働基準法に合わせていくべき。また、教職員はより本来の業務に集中できるよう、補助的な専門員の配置が求められる。
私たちは、「教育に穴があく」(教職員未配置問題)の解消に向けて、義務標準法を改正し、教員定数を基礎定数から抜本的に改善することが必要と考えています。貴党のお考えを教えてください。
- 自由民主党
-
質の高い教育の実現や、複雑化・困難化する教育課題へ対応を図るとともに、学校における働き方改革を推進する上でも、教職員定数の改善は重要であり、小学校における35人学級の整備や教科担任制の拡大などを進めております。引き続き、学校の指導・運営体制の強化・充実に取り組んでまいります。
- 公明党
- 立憲民主党
-
教職員が、いじめや不登校などさまざまな状況に置かれている子どもとしっかり向き合う時間を確保するため、教職員定数の充実を図るべきです。
- 国民民主党
-
(設問2をご覧ください)
- 日本維新の会
- 日本共産党
-
「教育に穴が開く」事態の根本には、異常な長時間労働があります。私たちは問題の解決には、義務教育標準法や高校標準法を変え、教員の基礎定数を増やすことが何より重要と考えています。
私たちはこの間、現在の基礎定数が学校の業務量に見合うものになっていないことを明らかにしてきました。はじめて基礎定数を定めた1958年の義務教育標準法では、1日8時間労働を守るために、例えば小学校では教員一人の教科授業負担を1日4コマとし、当時の授業時数から基礎定数を算出していました。この当時は、今日のような長時間労働はありませんでした。
ところがその後、この「1日4コマ」となるような基礎定数算出が行われなくなり、現在では1日5コマ、6コマが当たり前
となっています。これでは勤務時間内に仕事が終わるはずがなく、長時間の残業が必至です。中学、高校でも同様です。特別支援学校、学級では特に教員の空きコマがないという問題があります。私たちの基礎定数増の提案では、例えば一学年2学級の規模の小学校では、各校もれなく3名以上の教員が増えます。文科省は「私たちも加配定数を増やして対応している」と言っていますが、小学校5校に一人程度しか増えません。
みなさんの運動と給特法の審議を通じ、文科省は基礎定数も検討の対象と言わざるをえなくなっています。全国知事会なども基礎定数増を政府に要望するようになっています。
私たちは、基礎定数を増やしてこそ問題が解決するという世論をみなさんとともにさらに広げ、基礎定数増をかならず実現させたいと思います。
- 社会民主党
-
学級生徒数は20人を目標に、30人以下学級の早期完全達成をめざします。教職員定数の計画的な改善をはかり、自治体による独自の加配も追求します。
- れいわ新選組
-
同じ考えです。
その際、2005年まであった「教職員定数改善計画」を復活させ、政策誘導的に使用される加配定数をいじるのではなく、義務標準法の改正により、基礎定数、いわゆる「乗ずる数」「除すべき数」を改善することが必要です。そうして、子どもの数が減ったことを理由とする「自然減」をなくして教員定数を増やし、教師を目指す人を増やすことが急務です。
- 参政党
- 日本保守党
- 再生の道
-
量・質ともに充⾜が急がれる。必要な人件費を確保していくべき。
私たちは、さらなる少人数学級前進など、子どもたちにゆきとどいた教育を保障するとともに、教職員の処遇改善など教育条件整備をすすめるために、教育予算の公財政支出対GDP比をOECD平均並みに引き上げることが必要だと考えています。これについての貴党のお考えを教えてください。
- 自由民主党
-
日本の未来を担う子供への教育をはじめ、「人への投資」は、我が国の将来にとって極めて重要であり、少子化対策と経済成長の実現の観点からも教育予算をしっかりと確保していく必要があると考えています。
OECD の調査結果等も参考としながら、教育予算の確保を進めてまいります。
- 公明党
- 立憲民主党
-
教育に関係する予算の確保・充実を図り、著しく低い日本の教育への公的負担を大幅に引き上げるべきです。
- 国民民主党
-
教育や人づくりに対する支出は、将来の成長や税収増につながる投資的経費です。財政法を改正して、これらの支出を公債発行対象経費とする「教育国債」を創設します。毎年5兆円発行し、教育・科学技術予算を年間 10兆円規模に倍増させます。
- 日本維新の会
- 日本共産党
-
いま、世界ではこの20年で、教育機関に対する公財政支出の対GDP比が、OECD加盟国平均で5.2%から4.3%へ低下するなど、教育予算が減らされ軍事費などに吸い取られています。日本のこの間の軍事費拡大・教育予算の削減の現状は、この先端を行く形となっています。教育予算(公財政支出・対GDP比)はOECD 諸国平均の7割で2.9%、世界でも最低レベルとなる一方で、軍事費(防衛費)は教育予算の2倍にも増やされています。
日本ではこのもとで、世界でもトップレベルの高学費負担、深刻な教員の多忙化、不登校の急増、一方的な統廃合など深刻な問題が起こっています。
私たちは、この間資産が莫大にふえた、大企業や年間所得 1億円をこえる富裕層への不公平な減税や優遇をあらため、軍事費を削減するなどで財源を確保し、教育予算の公財政支出(対GDP比)を OECD 平均並みに引き上げて、少人数授業など子どもたちへのゆきとどいた教育の保障、教職員の増員や処遇改善など教育条件整備をすすめます。
- 社会民主党
-
教育予算の公財政支出対GDP比を OECD 並みに引き上げるべきだと考えます。
- れいわ新選組
-
同じ考えです。
ユネスコで推奨される教育予算の対GDP比が4-6%であるのに、日本は3%に過ぎず、OECDの一番下を争うレベルです (2020年)。今の財務省の進める長年の緊縮財政を改め、OECD の平均の4.3%かそれ以上に引き上げることが必要です。
- 参政党
- 日本保守党
- 再生の道
-
少⼦化が進む中で教育予算の割合は低下する傾向があるため、子供一人当たりの支出額でOECDトップを目指す方が合理
的。
私たちは「教え子を再び戦場へ送らない」のスローガンのもと、日本国憲法9条をそのまま残し、平和主義を堅持すべきと考えています。また、それに関連して防衛費の大幅削減を行い、教育費等に充ててほしいと考えています。貴党の憲法に対するお考えを教えてください。
- 自由民主党
-
「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つの基本原理は堅持し、憲法改正実現に向けて、取組みを更に強化します。技術革新、安全保障環境、時代や社会生活の変化など、時代の要請に応えられる「日本国憲法」に改正するために、力を尽くします。
自民党は現在、憲法改正の条文イメージとして、
- 自衛隊の明記
- 緊急事態対応
- 合区解消・地方公共団体
- 教育充実
の4項目を提示しています。
国民の皆様の幅広いご理解を得るため、全国各地で対話集会などを積極的に開催し、憲法改正の必要性を丁寧に説明していきます。衆参両院の憲法審査会において憲法論議を深め、憲法改正原案の国会提案・発議を行い、国民投票を実施し、「日本国憲法」の改正を早期に実現します。
- 公明党
- 立憲民主党
-
日本国憲法が掲げる立憲主義、平和主義、基本的人権の尊重という理念を重視します。今必要なのは、改正でなく、この理念を現実の政治にどう生かすかで、平和主義を空文化する自民党の9条改正案には反対です。
- 国民民主党
-
コロナ禍やロシアによるウクライナ侵略で顕在化した憲法上の課題を解決する観点から、緊急時における行政府の権限を統制するための緊急事態条項を創設し、いかなる場合であっても、立法府の機能を維持できるようにします。とりわけ、任期満了時に、緊急事態が発生し、選挙ができなくなった場合に、議員任期の特例延長を認める規定を創設します。
なお、憲法9条については、これまで9条が果たしてきた役割にも配意しつつ、
- 自衛権の行使の範囲
- 自衛隊の保持・統制に関するルール
- 戦力不保持·交戦権の否認を規定した憲法9条2項との関係
の3つの論点から具体的な議論を進めます。
日本を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ、専守防衛に徹しつつ、必要な防衛力は強化すべきと考えますが、増税による防衛費の増額が行うべきではないと考えます。
※参議院選挙の公約作成に向けて党内で議論を進めているところであり、政策・見解について修正・変更が行われる可能性があることをご留意ください。
- 日本維新の会
- 日本共産党
-
日本共産党は、現行憲法の前文を含む全条項を守り、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざすことを、政党の最も基本的な文書「日本共産党綱領」でかかげている政党です。
憲法9条は、侵略戦争と植民地支配への反省からうまれた、世界平和をリードする「世界の宝」の条文です。教育にとっては、教え子を戦争に送ってしまったことへの痛苦の反省がこめられています。憲法9条は日本国民が手放してはならないものであり、平和主義の堅持は当然です。
ところが、自公政権はアメリカの圧力によって、安保法制二戦争法の強行、それにもづく「安保 3文書」の策定と、海外で米軍と一体の戦争を行うための準備、大軍拡をすすめています。
大軍拡の道は平和も暮らしも教育も壊します。1995年の国の予算は文部科学予算6.8兆円より防衛予算は少なく 4.7兆円でしたが、2022年に逆転し、2025年度予算では文部科学予算 5.5兆円に対し防衛予算が 8.7兆円と激増しています。「専守防衛」と無縁な、海外で米軍と一体に戦争するための兵器の爆買いをやめ、教育予算にまわすべきだと考えます。
しかも、トランプ米政権は国際法を無視する言動を繰り返し、日本にはいっそうの軍拡を要求しています。“アメリカ言いなりの政治をこれ以上続けることはあまりに危険です。
今やるべきは、「戦争の準備」ではありません。東アジアに平和をつくる「平和の準備」、憲法9条を生かした平和の外交こそ必要です。私たちは、ASEAN による地域の平和共同体づくりに学び、ASEAN と協力して東アジア規模で平和の地域協力をすすめる提言を発表し、その実現のために独自の野党外交をふくめ、内外で活動しています。
- 社会民主党
-
社民党は戦争にではなく、教育にこそ国の予算を重点的に配分すべきだと考えており、膨張する軍事費を削減するべきです。また、「再び戦争をしない」という平和憲法の理念をあらわにした9条を堅持し、憲法を活かした政治、教育等を一層推進していく必要があると考えています。
- れいわ新選組
-
賛同します。
中教審特別部会長(当時)だった小川正人・放送大学教授は「教員の働き通りに教職調整額を支払うとすると、1年間で9千億円から1兆数千億円が必要」との試算を示しました(朝日新聞2018年12月24日)。軍事費43兆円もの支出よりも、直ちに、教員の残業代として1兆円を支払うべきです。平和外交の基礎が「教育機会均等」なのですから、今の政府の方向性は二重に矛盾しています。
- 参政党
- 日本保守党
- 再生の道
-
平和は自国の主義だけで守れるものではなく、他国との関係性において成り立つものである。その意味で、むしろ防衛費の⼤幅削減や日米安保の見直しなどをすれば、戦争を誘発するリスクがある。教育費は社会保障等を含めた全体のバランスを考慮して捻出すべき。