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(全教)2025年度予算編成に関する文科省への緊急要請

全教(全日本教職員組合)は2024年12月19日、あべ俊子文科大臣に対して「すべての子ども達にゆきとどいた教育を保障するための条件整備と教職員の長時間過密労働解消のための予算編成を求める緊急要請」をおこないました。要請の内容を紹介します。


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すべての子ども達にゆきとどいた教育を保障するための条件整備と教職員の長時間過密労働解消のための予算編成を求める緊急要請

登校拒否・不登校児童生徒数や暴力行為件数やいじめの重大事態の件数が、いずれも過去最多となるなど、今学校は極めて重大な課題を抱えています。また、教員のメンタル疾患による休職者も6000人を上回るなど、看過できない深刻な事態となっています。まさに「このままでは学校がもたない」状態であり、公教育の役割を果たすことができません。

その大きな要因である教職員の長時間過密労働の解消は、まさにまったなしの全国共通の課題であり、国が責任をもって解決すべきです。しかし、この間発出された中教審答申や財政審の建議は、現場実態を踏まえたものでなく、極めて不十分です。

中教審答申の示す教職調整額の一律の増額は教職員の処遇改善につながるものの、長時間労働を解消するものにはならず、いっそう長時間労働を助長するおそれすらあります。また、教職員基礎定数改善を先送りして加配定数の改善にとどめたことは、教職員未配置を深刻化するおそれがあります。さらに、給特法制定以来50数年間にわたって時間外勤務手当制度を否定し、無定量の長時間労働に対する法的な歯止め機能がないままに実際に生じている時間外勤務をなかったことにしてしまうことは、到底許されません。「新たな職・級」の創設は、上意下達式の学校運営を招き教職員の共同を破壊するものです。

財政審の建議は、時間外在校等時間縮減を条件とし教職調整額の段階的な引き上げと「所定外の勤務時間に見合う手当」への移行を示しますが、そもそも、喫緊の課題は長時間過密労働の解消であり本末転倒・理解しがたいものです。教職員定数増などの「時間外在校等時間の縮減」の方策は一切示されず、時短ハラスメントの横行や、ゆきとどいた教育が阻害されるおそれすらあります。また、教職調整額がなくなることも想定され、現職者に大きな不利益変更となります。

必要なことは、現場の実態を踏まえた教職員の基礎定数の改善、教職調整額を本給と位置づけ実際に生じた時間外勤務について手当を支給する仕組みの実現、20人学級を展望した少人数学級、それらを保障する教育予算の編成です。すべての子ども達にゆきとどいた教育を保障するための条件整備と教職員の長時間過密労働解消のための2025年度予算編成を強く求めます。

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