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新聞全教北九州2022年12月号

文部科学省は、22年11月1日付事務連絡文書「産・育休代替講師に安定的確保のための加配定数による支援について」を発出しました。これにより5月から7月末までに産休・育休を取得する教員がいる場合、少人数指導教員などの加配定数を使用して、4月から代替教員を配置できるようになります。

全教北九州市教職員組合は、教育委員会に対しいくつかの県での実施状況を紹介し、北九州市でも早急に具体化するよう交渉してきました。

目次

産休・育休代替教員確保のために「先読み加配」を具体化しよう

「先読み加配」とは

慢性的な教員不足から、年度途中での代替教員の確保が困難になっています。「先読み加配」とは、1学期に産休・育休取得する見込みがある教員の代替者を比較的確保が容易な4月当初から先行して配置する制度のことです。

今回の事務連絡は、小・中学校と特別支援学校の小学部・中学部を対象とし、5月から7月末までに産休・育休を取得する教員(男性、学級担任以外の教員も対象)がいる学校に4月から前倒しで代替教員を配置する場合に、前倒し期間の加配定数を措置する支援を行うというものです。

メリットが多い「先読み加配」

今回の措置は、先読み加配を先行実施してきた自治体の取り組みと現場の声を一定反映したものであり評価できます。

産・育休取得予定者の後任の教員があらかじめ加配されていることで、「必要な引継ぎも円滑に行えるので本人も職場も安心感を持てた。」「産・育休の取得が言い出しやすくなった。」と現場では好評です。

子どもや保護者にとっては、学期の途中で学級担任が交代する不安がなくなるメリットがあります。

また、代替教員が見つからないことが要因のひとつとなっていたマタニティーハラスメントをなくすことも期待できます。さらに男女ともに仕事と育児等を両立できる職場環境の整備にもつながります。

「妊娠者の母体保護」の観点が必要

文科省は今回の措置についての趣旨を「教員不足を解消する一助となるよう行うもの」としています。

しかし全教日本教職員組合(全教)ではあくまで「妊娠者の母体保護」の観点から要求し続け、妊娠が判明した時点での「先読み加配」を求めてきました。

全教は今後も要件・期間の拡充を求めていくとりくみをすすめていきます。

ゆとりをもった配置と予算措置が必要

今回の措置でも23年度は加配定数の総数を増やさないため、代替教員に少人数指導やT・T、児童生徒支援加配などの加配教員を充てることとなります。

北九州市の場合、加配教員の多くが既に少人数学級の実施に振分けられているため、代替教員を確保する余裕はありません。これでは教員不足の解消は困難です。

教育委員会は、今後の産休・育休の取得者の増加などを見越した計画的な定数配置などの工夫とそのための予算措置が必要です。

「先読み加配」の23年度からの実現を求める

全教北九州は、産休・育休に限らず病休など不測の事態が生じても、行き届いた教育ができるようにするために、ゆとりをもった教員配置ができるようこれからも北九州市に要請を継続します。また全教とともに国・文科省への要請も継続します。

さしあたって教育委員会には、制度の実現に向け、23年7月末までの産休・育休予定者の正確な人数把握と申請に見合った加配の措置を行うよう要求します。

特に「正確な人数把握」は重要です。文科省は、各自治体に対する加配措置数は、全体の申請状況を踏まえて決定するとしています。人数が増加する可能性なども考慮した報告をするよう求めます。

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