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新聞全教北九州2022年10月号

2021年度より児童生徒数300人以下の小・中学校には順次学校事務補助員が配置されなくなりました。そのために今まで学校事務職員と学校事務補助員の二人で行っていた業務を一人で行うことになりました。全教北九州市教職員組合は未配置の学校51校に対してアンケート調査を行い、28校から回答を得ました。その結果、未配置の学校事務職員の悲惨な状況が明らかになりました。

目次

「ワークバランス推進」に逆行する学校事務補助員の未配置

孤立し追い詰められる学校事務職員

学校事務補助員が配置されなくなった学校の学校事務職員からは、労働環境の悪化に対する不満・不安の声があがっています。

調査では、4月の残業時間が60時間を超えた、退勤時刻が深夜12時近くになった、土日の勤務もしなければならないケースがあった事が明らかになりました。また残業したいが親の介護の都合で残業ができず休憩時間も仕事をし続けなければならないケースもありました。

また、6割近くが孤独を感じると回答しています。このことが管理職・教員の協力に対する不満や心身の健康に対する不安を増長していると考えられます。

負担軽減にならないスクールサポートスタッフ配置

また、スクールサポートスタッフ(SSS)配置が、学校事務職員の負担軽減になっていないことも明らかになりました。SSSの多くは教育支援のみに従事し、学校事務補助員の経験もありません。

負担が大きい校納金と就学援助

年度初めの校納金と就学援助関連の業務が大きな負担になっていることが改めて明らかになりました。校納金の公会計化により状況が大きく改善することは、導入済みの地方公共団体の取り組みからも明らかです。公会計化の一刻も早い導入が必要です。

就学援助は、教育委員会が直接保護者とやり取りをするなど関与の度合いを高めることが必要です。

すべての教職員がいきいきと仕事に取り組める労働環境を

学校事務職の労働環境悪化は、教育員会が推進する「ワークバランス推進」に逆行するものです。また、教育活動への支障に直結する問題でもあります。教育委員会の名ばかりの業務改善は学校事務職員にとっては業務改悪です。

私たちは、真の意味で業務改善が行われ、学校事務職員を含む全ての教職員がいきいきと仕事に取り組める労働環境を求めて運動を行っています。

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