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新聞全教北九州2022年3月号

教職員の多忙化・長時間過密労働の解消はすべての教育関係者にとって改善すべき喫緊の課題です。文部科学省は「働き方改革」推進を最優先に取り組むべき課題に位置づけ、業務の縮減を図ろうとしていますが、その成果はあがっていません。
問題の解決には、文科省・教育委員会などの「上からの業務縮減策」でなく、管理職を含めたすべての教職員の意向を反映した「納得」と「合意」にもとづいた「わたしたちの業務縮減策」に取り組むべきです。

目次

「納得」と「合意」で働き方の改善に取り組もう!

子どもと向き合う時間を確保することを優先した働き方に

外国語・情報教育の導入、教育のICT化に伴う新しい仕事が増えています。教育委員会は、「学校における業務改善プログラム〈第2版〉」等に基づき改善できているという認識ですが、現場の認識と乖離しています。

授業研修、その他の研究・研修、調査・報告書等の簡略化、部活の指導員配置等に取り組みましょう。会議の精選と効率化に取り組みましょう。

「途中付与、一斉付与、自由利用」の原則にもとづく休憩時間の確保

わたしたちの心と体の健康のために心身の緊張緩和や疲労回復はとても大切です。

労働基準法第34条1項で決められた休憩時間(労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えること)がきちんと確保できるように下校時間や給食指導などの業務・校時割りなどできるところから取り組みましょう。

長時間勤務を「個人の問題」にしない

長時間勤務が、教職員の「自己責任」や「意識の問題」に矮小化されないように、管理職と一緒に実効ある業務の縮減策を検討して実行しましょう。

日本の教員は諸外国に比べて長時間勤務となっています。OECD(経済協力開発機構)が2018年に調査した結果では、教員の労働時間は小学校で週54.4時間、中学校で週56時間とOECD調査対象の平均38.3時間と比べて大幅に超過しています。

年度当初の会議では、働き方の見直しについて話し合う時間を求めましょう。

「在校時間」の適正な把握

「在校時間」の把握では、勤務時間、業務量が適正に反映されるよう、次の視点で検証して改善を求めましょう。

  1. 管理職の責任で適正に勤務時間の客観的な把握が出来ているか
  2. 休憩時間や「自己研鑽」等を一律に勤務時間から除外していないか
  3. 持ち帰り仕事を勤務時間に含めているか
  4. 虚偽の出退勤記録の押し付けや「時短ハラスメント」はないか
  5. 土日の部活動指導を「在校等時間」に含めないなどの誤りはないか

必要な条件整備を求める声を職場からあげよう

職場でできるところから業務の縮減に取り組むことは重要ですが、全教北九州は、教育委員会の責任で全ての職場で業務の縮減をはかるべきだと考えています。

使用者には、労働者に対して安全に働くことができる環境を提供する義務があります。(労働契約法第5条「安全配慮義務」)この義務には、施設・設備の整備、労働時間、人員配置、人間関係などがあります。

職場では、できることから取り組みつつ、教育委員会に条件整備を求める声を挙げていきましょう。

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