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新聞全教北九州2022年2月号

2022年度の春季賃上げ闘争(春闘)が始まります。教員希望者の減少を食い止めるためにも正規・非正規を問わず教職員の待遇改善は喫緊の課題です。

今年の春闘では、「まじめに働いても報われない」労働の実態を詳しく伝え、働き方に見合った賃金や休暇制度の充実、正規・非正規・再任用間の格差是正などを要求し、人間らしい、健康で安心して働き続けることができる職場環境の実現を目指します。

目次

「まじめに働いても報われない」職業から「魅力ある」職業に変えよう!

過酷な労働が教員希望者から敬遠されている

全国の公立学校で2021年度当初に教員の欠員が2558人あることが、文部科学省が初めて実施した調査で分かりました。北九州市でも始業時点で12人の欠員が生じていました。欠員は年度途中にも生じており、なり手不足は深刻です。欠員の理由について、多くの教育委員会が「産休・育休取得者が見込みより増えた」「講師登録希望者が減少した」「病休者が増加した」等をあげています。末松文科相は深刻な「なり手不足」に対して「働き方改革が一番の優先施策」と発言しています。

この問題の背景には、これまでの「働き方改革」で教員の負担が減っていないこと、「ブラック」とまでいわれる過酷な労働が広く社会に認知されるようになったこと、労働に見合った賃金ではないこと、正規・非正規間の待遇格差などの実態が敬遠されて労働条件の良い職業に希望者が流出している現状があります。

臨時教員を「調整弁」にするな

臨時教員が、自治体の人件費抑制や少子化による学級数の変動のための「調整弁」となっています。

臨時教員の教育職給料表の職務の等級が正規のそれより低いため、給料月額が非常に低くなっています。講師の方からは「生活のために講師を続けているが、時には手のかかる児童の多い学級を任されることもあり、責任の度合いは正規の教員と変わらない。なのに給与は正規よりも少ないし、超勤もしないと仕事が終わらない。」との不満の声も聞きます。

全教北九州は、毎年の交渉で臨時教員の働き方に見合った適正な賃金を保障することや職務給を正規と同額にするよう要求しています。

使用者には、労働者が人間らしい、安心・安定した暮らしができるための賃金を保障する責務があります。正規・非正規間の格差是正なしに、「なり手不足」を解決することはできません。

負担軽減が実感できる「働き方改革」推進を求める

この問題は「働き方改革」で解決できるでしょうか。

国は、経済協力開発機構(OECD)加盟国38カ国中34位の低い公財政教育支出を増額し、自治体が十分な正規教員を雇用できるようにすることが必要です。北九州市は、今後も国に教育予算増額を強く要請すべきです。

また、負担軽減が実感できる「働き方改革」が必要です。外国語の教科化、GIGAスクール、「小中一貫教育」の実施による教育環境の激変、さらにコロナ感染対策などで、教員には、これまで以上の精神的・肉体的負荷がかかっています。

待遇改善で教職を魅力あるものに

全教北九州は、春闘共闘連絡会、北九州地区労働組合総連合(北九州地区労連)と連名で教育委員会に対して、未配置解消、臨時教員確保、非正規教員の労働条件改善を求める要請書を提出しました。

国による教員給与の負担分が減額されて以降、北九州市は定数以下の教員数しか採用せず、不足分を定数内講師で補っています。臨時教員の存在なしに一日たりとも教育は成り立ちません。

教職が魅力ある職業として認知されるためにも、待遇改善を求めて今年の春闘を闘います。

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