11月15日、給与改定に係る最終交渉が行われました。交渉を重ねてきた結果、再来年度からの新しい病気休暇制度の新設(教職員は来年度まで経過措置が継続)、不妊治療の休暇制度の新設、会計年度任用職員の待遇改善等を実現できました。一方、身近な要求であるボーナスは0.15月分減額され、休暇制度の拡充では要求とはほど遠い回答でした。
休暇制度、会計年度任用職員の待遇で一定の改善
長時間過密労働のまま定年延長か
2023年度に60歳になる者から定年が段階的に引き上げられます。定年延長が完成するまでは俸給月額は7割に引き下げられ、ボーナス等を含めた年収ベースでは6割以下になるとも言われます。
また、「働き方改革」の目玉でもある長時間過密労働は依然改善されないままです。多くの教職員からは「この待遇、劣悪な労働環境では65歳まで働き続ける自信がない」等の不安や不満の声があがるのも当然です。
定年延長を見越し、勤務時間削減や子育て支援、介護休暇等の施策の拡充は喫緊の課題であり、その実現は北九州市と教育委員会の使命です。
一定の改善はあったけれど
全教北九州市教職員組合は、健康で安心して働き続けることができる労働環境実現に向け、47の要求項目を挙げて交渉を行ってきました。今年度の給与改定交渉では、病気休暇制度の新設、会計年度任用職員の待遇改善、不妊治療に係る休暇制度の新設など労働環境の改善が一定前進したことは評価できます。しかし、ボーナスの0.15月分減額、多くの教職員の働き方に関わる制度改善の回答は十分ではなく納得できません。
今すぐできる改善を早急に
小学校では病休や年休で休んだ場合に学級をフォローする体制が不十分で安心して学級を離れることができません。
また、労働基準法34条1項で定められた45分の休憩時間(6時間を超え、8時間以内の労働の場合は少なくとも45分の休憩を付与する)も忙しくてとれません。
他にも穴のあいている教職員の補充、研究授業のあり方、提出文書の削減等を見直すことで働き方は随分改善されます。
これらの取組は制度を改正しなくてもできることです。教育委員会には、その責務を自覚し早急に実効ある改善を求めます。
全教北九州は、今後も教職員の待遇改善に向けて継続して交渉を行います。