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新聞全教北九州2021年7月号

全教北九州市教職員組合(全教北九州)は、6月2日、北九州市人事委員会に賃金・労働条件等の改善を求める要請書を提出しました。

要請書では、労働者の当然の権利としての賃金の改善を求めています。また、定年年齢の引き上げを見通した多様な働き方、勤務時間等の労働条件改善も求めています。

目次

誰もが安心して働くことができる職場のための勧告を求める

「同一労働同一賃金」の立場で会計年度任用職員の待遇改善を求める

2020年度4月から非正規公務員に会計年度任用職員制度が導入されました。しかし、その待遇には問題があります。

市民団体の調査では、半分以上の人が年収200万円未満です。「給与が少なく健康的な暮らしは全くできない」「大病したらどうなるかいつも心配」等健康や将来への不安に悩む方も多くいます。

北九州市でも、正規職員と比べると待遇・労働条件の格差が大きく、是正は喫緊の課題です。同一労働同一賃金の立場で会計年度任用職員の賃金・労働条件を改善する勧告を求めます。

学校事務職員の多忙を解消し、待遇の改善を求める

2021年度より児童生徒数300人以下の学校では学校事務補助員の配置がなくなりました。その影響でこれまで以上に多忙になったという事務職員の声があります。一方的な労働条件改悪には反対です。また、権限移譲後、事務職員の昇任、昇給も改悪されました。

事務職員の労働条件、待遇を改善する勧告を求めます。

65歳定年延長を見通した制度設計を求める

2023年度に60歳になる人から定年が段階的に引き上げられます。「今の長時間過密労働や再任用の低賃金ではとても65歳まで働き続けることができない」などの声が上がっています。

定年延長の制度設計にあたっては、このような切実な声にも耳を傾けてほしいものです。労働の対価としての適正な給与の保障はもとより、介護休暇制度の抜本的充実、体育実技補助など高齢層への労働軽減措置等の条件整備をすすめる勧告を求めます。

1年単位の変形労働時間制を導入しないよう求める

時間外手当てを支給せず、定時以外の仕事を「在校等時間」として管理し、その上限を月45時間、年360時間と定めることは、勤務時間の拡大という誤った解釈に繋がります。

現場では、本来の仕事でも在校時間から削除することや、退勤時間を操作することや、業務が増えているにもかかわらず早く退勤することを管理職が求めることがあります。

このような「時短ハラスメント」がある中、「1年単位の変形労働時間制」の導入を求めない勧告を求めます。

人事委員会は教職員の生活と権利を守る立場で勧告を

人事委員会には、労働基本権制約(争議権が認められない等)の主な代償措置をはたす役割があります。また、給与・勤務条件に関する勧告を行う、苦情相談を処理する等の行政権限や勤務条件に関する措置要求の審査、不利益処分についての審査請求等の準司法的権限等もあります。

北九州市の教員給与が都道府県・政令市中で最下位との報道(3月15日、幻冬舎ゴールドオンライン『都道府県「教員給与」ランキング…1位「東京」で44万円強だが』)がありました。待遇は働く意欲や教員採用試験の倍率などにも関わります。
全教北九州は、人事委員会が教職員の生活と権利を守る立場に立ち、誰もが安心して働ける労働環境を保障する勧告をおこなうことを期待しています。

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