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休憩時間確保の方法は教職員に丸投げ?

新聞全教北九州2020年11月号より


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教育委員会 学校における業務改善に「休憩時間等の確保部門」を新設

12月中旬まで「学校における業務改善」提案募集が行われています。本年度は「休憩時間の確保部門」及び「新しい生活様式を踏まえた業務改善の取組部門」の提案募集が新設・追加されました。広く教職員の意見を教育行政や教育活動に反映させるという目的での募集に異議はありません。しかし、新設された「休憩時間の確保部門」提案募集というのはちょっと違和感を覚えます。

使用者としての責任放棄

休憩時間が確保できていないのは周知の事実です。中学校では給食の実施で、小学校ではコロナ禍で分割付与が行われ、休憩時間の確保が難しくなっています。

教育委員会が実施した勤務実態調査でも休憩時間は、テストの採点、自学ノート・ドリル・宿題の点検、教材作成、授業の準備など教員本来の業務に充てられています。

全教北九州は、労働基準法で定められた45分の休憩時間の確保を教育委員会の責任で実現するよう、何度も要求してきました。

しかし、休憩時間の確保のための提案募集は、使用者としての責任を放棄しているとしか思えません。

まず教育委員会が提案すべき

「労働者には45分の休憩時間を与えなければならない」にもかかわらず、ゆっくり休憩できないのは教員のせいではありません。休憩できる労働環境が整っていないからです。働きやすい環境整備は使用者の責任です。

教育委員会は、休憩時間確保のために「何ができるのか」をまずに提案すべきです。

例えば、正規の業務を休憩時間にせざるをえないなら、児童生徒を早く下校させ、放課後に時間を確保できるようにする、業務量が多いのなら、本務以外の仕事を大胆に減らす、昼休みに教室の子どもたちが心配で教室を離れることができないなら、できるような対策をとるなどです。

なぜ休憩時間に仕事しなければいけないのか、から出発した対応を!

この問題は、子どもの教育ともかかわっており、難しい課題です。しかし、違法な勤務を放置するのも問題です。

労働環境の整備は使用者の責任であり、提案募集など他人任せにすることは許されません。教育委員会の提案をもとに、現場から提案を求め、教育委員会と組合が議論し実行すべきではないでしょうか。

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