2020年9月4日
貴職におかれましては、日頃より教育に係る条件整備等に努力していただくとともに、全教北九州市教職員組合の要求書についても鋭意ご検討いただいている事に感謝申し上げます。
さて今年度は、コロナ禍による「臨時休校」中の人事異動となりました。また、5月下旬の学校再開と同時に学校関係者の感染が相次ぎ、不安や混乱の中で実質的な新年度が始まりました。以降、早朝からの健康観察、密な教室での感染防止対策、給食の配膳、清掃や消毒に追われる一方、遅れた教育課程を取り戻すべく授業準備にも時間をかける毎日が続いています。高速道路を休憩なしで疾走しているかのような毎日に、教職員は疲労が蓄積しています。6月議会で「超勤上限45時間の条例」が制定されて以降、管理職からの「帰りましょう」の呼びかけは増えましたが、「業務は増えているのに帰れない」と教員は嘆いています。
一方、臨時休校中や分散登校中は、「ワークライフバランス」について考えることも増えました。まだ続くwithコロナの中、働く環境は何より大事であると誰もが感じています。
市教育委員会に於かれましては、本年度の人事異動要求について真摯に検討していただき、教職員が生き甲斐をもち、健康で安全・安心して働ける環境の整備及び労働条件の改善に資する具体的な回答をお願い致します。
目次
人事異動基本要求
- 教職員の合意と納得の得られる人事異動とすること。
- 通勤時間短縮による超勤削減、労働条件改善の一環として人事異動方針を位置づけ、人事異動に反映させること。
- 教育現場で多忙を極める教員が、本務である教育に意欲や情熱を傾けることができる教育・勤務条件充実の一環としての人事異動とすること。
要求
- 来年度の人事異動は、教職員が健康で安全、安心して働くことができる労働環境を整えるという観点や勤務・労働条件改善の観点から教職員の生活・健康実態を十分配慮した、合意と納得の得られる人事異動とすること。
- 育児、介護、傷病など本人や家族にかかわる諸事情、状況を確実に把握し、異動にその意向を反映させること。
- 異動は、原則として居住地に近い勤務校とし、教員が本務である教育実践の充実や児童生徒と向き合う時間確保のための教育環境整備を実現するための人事異動とすること。
- 異動は、本人の希望や意向を優先させること。人材育成に名を借りた区間異動や小・中学校、特別支援学校、市立幼稚園等の相互の校種間異動は、本人の意向を尊重すること。
- 一部教科担任制の方策を見直し、そのための校種間交流や免許外教員の配置等を行わないこと。
- 若年、中堅層を対象にした異動は、多様な経験を積むことを目的とした一方的、管理的な異動にならないようにすること。
- 特別支援学校と特別支援学級については、専門性を配慮した異動を行うこと。
- 特別支援学校から特別支援学級への異動は、本人の同意を必ず得ること。
- 新規採用教職員の赴任校は、本人の居住地を配慮すること。
- 新規採用後最初の異動は、本人の意向を充分に配慮すること。
- 外国語の教科化にともなう異動は、本人の意向を充分に配慮すること。
- 再任用教職員の異動は、本人の意向を尊重すること。
- 定数内の教員はすべて教諭とすること。
- 中学校職員の異動は、本人の希望があれば、在校6年の年数の異動よりも卒業学年に持ち上がることを優先させること。同様に、特別支援学校においても、卒業学年の持ち上がりを考慮すること。
- 校務支援システムの停止時間は必要最小限とし、教職員の残務整理の時間を確保すること。
- 労働条件の改善・整備の観点から、人事異動の基本方針について確認の場を設けること。
- 教職員の合意と納得が得られる異動となるよう、以下の事項については組合と合意の上、人事異動の具体的作業を行うこと。
- 人事異動作業を行う担当者に直接要求を伝えられるようにすること。
- 人事異動希望調査票をもとに、本人の希望に沿う異動を行うこと。
- 人事異動の日程を明らかにし、作業の進捗状況を適宜求めに応じ報告すること。
- 内示後の対応についての要求
- 苦情が発生するような異動があれば、誠意をもって対応し、「内示即発令」とならないようにすること。
- 苦情の交渉には、担当課長、教職員部長が同席すること。
- 交渉最終日は、いつ、何時までかを明示すること。
- 内示発令直後に、次年度の校内人事のために連絡を取ることはしないこと。