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新聞全教北九州2020年8月号

今年度も人事・給与制度、期末・勤勉手当、各種手当、働き方、メンタルヘルス、ハラスメント等の勧告に向けて、人事委員会との会見が始まりました。また例年9月中旬に行われる人事委員会勧告は、コロナ禍で遅れており、組合と教育委員会との給与改定交渉も遅れる見通しです。

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人事委員会は教職員のくらし・いのち・健康を守る勧告を

人事委員会「勧告」に要求が反映

全教北九州は、教職員の県費から市費への移譲に伴い、教職員の待遇改善に向けて教育委員会と交渉を行い、各種手当や特別休暇等の改悪を止めることができました。

同時に、人事委員会へも教職員の働き方や給与・手当の改善を訴えてきました。

その結果、2018年度・2019年度の勧告に教職員の長時間労働改善の項目が盛り込まれるなど成果をあげることができました。

「自己研鑽の時間」は業務外?

文科省の「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」に、「在校等時間」から除かれる「自己研鑽の時間」があります。業務外とみなされる自己研鑽には、教職員が専門性や教養を高めるための読書、教科に関する論文の執筆、教科や生徒指導の自主的な研究会への参加などが例示されています。

先日組合に、教材研究のために習字の練習をしていた先生が、管理職から「それは日々の業務とは直接関連しない業務ですね」と言われたそうです。これは業務の一環ではないのでしょうか。

専門性に関係ない仕事は「いたしません」と言える権利を!

人事委員会は、教職員の働き方や超勤問題、ハラスメント等に注視しています。19年度の勧告で「長時間労働の改善に向けた意識の醸成・改革に取り組む」と記述されています。この言葉を借りるなら、教育職員が長時間労働の原因となっている各種業務は行わない、という選択をすること(出来ること)も「意識の醸成・改革」になるのではないでしょうか。

例えば、コロナ禍の検温や消毒作業は教師本来の仕事ではないので「私の業務ではないので、いたしません」とか、学校の清掃作業も同様に「いたしません」、夜のPTA理事会の参加も「いたしません」といえるようになることが人事委員会勧告にある「意識の醸成・改革」にあたるのではないでしょうか。

くらし、いのちと健康が保障され、安心して働ける職場環境を

全教北九州は、人事委員会が、「労働基本権」が制約されている教職員のくらし、いのちと健康を守るための代償の機関としての責務を果たすことを強く要望します。

また、第三者機関としての独立性を守り、公平・公正な立場で勧告作業を行うことも要望します。

会見では、教職員の切実な声を届け、教職員の状況に寄り添った勧告が出されるように努めます。

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