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新聞全教北九州2019年11月号

目次

教職員の働き方には全くなじみません!

国の言いなり行政に反対

北九州市教育委員会は、文部科学省の方針に従って、能力・業績主義による勤務評定とその結果を賃金にリンクさせる制度の導入しようとしています。

すでに昨年度(2018年)、55歳以上の教員の勤務成績にもとづいた昇給制度(A区分に評価された教職員は2号級、B区分に評価された教職員は1号級の昇給)が決まり、来年度(2020年)から実施されます。さらに、本年度の市教育委員会提案では、再来年度(2021年)からは、特二級等と二級等で大卒30年以上又は55歳以上の教職員への勤務評定による賃金へのリンクが実施されようとしています。

今回の賃金リンクに必要な原資は、予算措置によるものではなく、みなさんの期末・勤勉手当に係る職務段階加算の一律減額によって賄われます。これによって、増える先生と減らされる先生がいるのも納得できません。

これまで、勤務評価による格差賃金支給は、管理職、教育職特二級等、二級の大卒30年以上又は55歳以上の教職員へと拡大しています。来年度以降の教育委員会提案で、すべての教職員にひろがるかもしれません。全教北九州は、勤務評価による格差賃金支給実施反対の運動を拡げていきます。

「管理や競争」の強化で、教育課題の打開は無理

教育委員会は制度導入の根拠として、「教職員の力量(教育をとりまく諸課題の題解決能力や教育改革推進意欲とその資質)の向上等のためとしています。

また、それらを実現させるために支援体制の構築、研修・授業研等による自己研鑽の重要性も方針に挙げています。これらの指標をもとに、スクールプランを作成しその自己目標の達成率を管理職が評定し、賃金に反映させようとしています。

教育委員会は、「評定結果の賃金リンクは学校活性化、教員のやる気の向上に効果がある」かのようなことを言っていますが、はたしてそうでしょうか。

このような管理的評価は、教員の働き方に馴染まないだけでなく、仕事への意欲を逆に削ぐとともに、教職員間の不信や憎悪、競争等による分断の原因にもなりかねません。

また、働き方改革の実行が叫ばれるなか、OJTやPDCAサイクルの確立などの民間企業の教育訓練手法を教育現場に持ち込み、授業力向上と称して校内研修・授業研を強要し、その結果を賃金に反映させようともしており、時代に逆行する制度設計にも多くの問題があり強く反対します。

現場の教職員を励ます評価制度はできないのか?

困難が山積する今の教育現場にあって、教員は日々悪戦苦闘の毎日を送っています。

この打開に向け、保護者や教職員、そして行政が力を合わせて課題解決を行わなければならないこの時期に、教員間の協働を阻害し長期間過密労働をさらに助長するような今回の賃金リンク導入は無理があります。

教員評価に頭から否定するものではありません。教員の力量・資質の向上は教員一人ひとりの願いであり、教員を励ます評価制度は必要と考えます。しかし、その動機付けとして、教員をランク付けし、上位の先生だけの賃金を上げるのは間違っています。

すべての教職員に勤務評定による賃金リンク導入が迫っています。教員への賃金リンク導入は、多くの問題があります。全教北九州は、今後も交渉で問題点を指摘し、導入反対の意見を主張していきます。

先生方も、職員会議や同僚との話のなかで話題にしていただき、反対の声を職場からあげてください。

また、現在会期中の臨時国会において、給特法の一部改正(一年単位の変形労働時間制の導入)が行われようとしています。ついに19日の衆議院本会議で多数の反対の声を無視して、自民・公民・維新などの賛成多数で可決されました。しかも、労使の交渉も行わずに自治体の条例改正で行うことができるという「労働基準法」違反の法案です。全教北九州のHPに全教の書記長談話を掲載していますのでご覧ください。

全教北九州市教職員組合では、この件についても早くから教育委員会に対し導入しないように声をあげています。職場でも論議していきましょう。

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