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公立学校に「1年単位の変形労働時間制」を導入しないよう求める請願(2019年署名)

文科省は、教職員の長時間過密労働を解消するためとして、公立学校に「1年単位の変形労働時間制」を導入するための法案を準備しています。

「1年単位の変形労働時間制」とは、1年間を「繁忙期」と「閑散期」とに分け、「繁忙期」の勤務時間を延長し、「閑散期」の勤務時間を短縮することによって、年間で平均した週当たりの労働時間が40時間を超えないようにする制度です。現状の時間外勤務の実態を覆い隠すだけで、長時間過密労働の解消にはつながらないものです。

最大の問題は、授業のある期間が「繁忙期」とされ、1日8時間を超える勤務が毎日のように強いられることです。所定の勤務時間の終了が遅くなると、授業準備など個々に行う業務が今以上に遅い時間帯にまわされ、退勤時刻がさらに遅くなってしまうことが懸念されます。

これは、教職員のいのちと健康にかかわる問題であるとともに、ゆきとどいた教育をすすめる上でも重大な問題です。このような勤務形態では、教職員がゆとりをもって子どもと向き合い、時間をかけて授業の準備を行うことが、いっそう難しくなってしまうからです。保育や介護などを抱えながら勤務する教職員にとっては、働き続けることができるかどうかにもかかわる深刻な問題です。

これほど問題のある制度を、労使協定の締結によってではなく、地方自治体の条例等によって実施させようとしていることは、労働者保護の観点から見てあってはならないことです。

教職員の長時間過密労働を解消するためには、少人数学級の実現や教職員定数の抜本的改善によって人を増やし、一人あたりの業務量を縮減することが不可欠です。教職員のいのちと健康を守り、ゆきとどいた教育をすすめる立場から、下記のことを請願します。

  1. 1.公立学校に「1年単位の変形労働時間制」を導入しないこと
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