2019年9月6日
貴職におかれましては、私たち全教北九州市教職員組合の要求について鋭意ご検討していただいていることに感謝申し上げます。
さて、文部科学省は、2017年度から5年間の地方財政措置として「時給1,000円、1週あたり30時間、1.5校に1人」の図書館職員(以下、学校司書)を配置すべく単年度220億円の措置を行っています。
私たちが所属する全日本教職員組合の学校図書館職員対策部が全国の自治体を対象に2017年度に行った調査によれば、公立小中学校における学校司書配置率は約69%。そのうち1週あたり30時間を超えているのは、約58%です。このことから推測すると、「週30時間、1.5校に1人」の水準に達しているのは約40%で、まだまだ地方財政措置の水準には達していません。また、学校司書の多くは非正規であり、募集段階での専門的な資格(司書など)も4割の自治体で問われていません。
子どもたちの多様な学びや豊かな経験を保障していくためには、子どもと本をつなぐ職員としての学校司書が必要です。授業中に関わって、学校図書館活用を考えれば、子どもたちが学校にいる間は学校図書館が開館し、そこに専門の学校司書がいることはとても重要です。そのことは、子どもたちの学習権を保障することにもつながります。
また、2016年の文科省調査によれば、図書標準(児童生徒数からみた、その学校の蔵書冊数の目標値)を達成している学校が小学校で66.4%・中学校で55.3%であることを考えると、各学校の図書購入費の充実も大きな課題です。
つきましては、以下のことを要請いたしますので、2020年度予算策定の際に配慮くださるようお願いいたします。
- 小中学校の学校図書館に学校司書を配置してください。
- 学校司書配置にあたっての予算措置を一層充実させてください。
- 「時給1,000円、1週あたり30時間、1.5校に1人」という地方財政措置算定額を満たす措置をおこなってください。
- 独自の措置で、地方財政措置算定額を上回るよう予算措置をおこなってください。
- 「図書標準」が達成できるよう、図書購入費の増額を実現してください。