研究の自由が保障され、自主性や創造性が発揮できるそんな教育現場にしませんか!
今、問いたい「教師の仕事とはなにか」を。
今、教師の「働き方改革」が叫ばれています。長時間過密労働で、自由になる時間と物事を考えるゆとりの時間が奪われ、多忙な働き方により健康を害する教職員も多数います。
教職員は、その専門職性を生かし、子どもたちに質の高い教育を実践したり、毎日子どもの笑顔を楽しみにふれ合いを大切にしたりするなど、多忙のなかでも子どもたちの成長を願って日々頑張っていります。
しかし、そのような願いとは裏腹に「何のためかよくわからない」「意味のない」仕事で多忙になっている現実があり、そこに息苦しさや矛盾を感じ教育実践を行っているのも現実です。
本当に子どものためなのか矛盾を感じながらやらされている学力テストに向けた様々な取組。学力テスト体制のなか、「教育」本来の目的が見失われることへの疑問や危機感、閉塞感など、北九州の教職員の仕事へのモチベーションの向上のためにどうしたらいいのかが問題になっています。
点数競争の過熱による教師の疲弊を招いたアメリカの教育
アメリカでは「落ちこぼれ防止法」制定以降、公教育に市場原理が取り入れられ、学力標準テストで学校や教師を競わせることで、点数を軸とした教育の徹底管理が進められています。学校では、テスト対策に重きが置かれ、教師は成績を伸ばすためのPDCAサイクルを求める資料づくりに追われ、教材研究をする余裕もなくなりました。また、学習スタンダードを駆使した授業のマニュアル化や「ゼロトレランス」を取り入れた生徒指導がすすみました。教育現場からは創造性や研究の自由が失われ、効率の名のもとにカリキュラムも教材も指導方法さえも教育委員会が決めたパッケージで教師に配布されるようになり、教師のオリジナルのテストは消え、生徒の評価は数値化されるようになりました。
教職員も子どもも生き生きと学び成長できる「学校」にするために
これはアメリカだけの話では済まされなくなりました。今教育現場では、「新自由主義」教育の名の下、アメリカのような教育改革がすすんでいます。
それは4月にある「全国学力学習状況調査」とその成績開示を利用した競争主義、数値化による教育の管理が年を追うごとに厳しくなっていることと重なります。北九州の学校では、点数をあげるために、学力テストの過去問を解かせたり、北九州独自の学力テストや学力テスト対策のテストプリントを押しつけたりするなど、まさに点数を軸とした教育の徹底管理が始まっています。また学習のスタンダード化や点数向上を図るPDCAサイクルの活用などで自主性、創造性が奪われるなか、「仕事」へのプライドやモチベーションを持続することに苦労し、疲弊する教師も増えています。
また、「働き方」改革の名の下、児童生徒の自主的・主体的な活動の機会や場所も簡略化させられたり、廃止させられたりしており、貴重な学校文化や風土が切り捨てられていることも心配です。 全教北九州市教職員組合は、教職員が仕事へのプライドとモチベ―ションをもって働き続けることができる「学校」、教職員も子どもも生き生きと学び成長できる「学校」の在り方を探りながら、よりよい教育、働く環境・条件整備を目指して運動を進めていきます。