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新聞全教北九州2020年7月号

コロナ対応で、従来とは異なる業務の増加や勤務時間の割振り変更などによる教職員の負担が重くなっています。しかも学校毎に対応が異なることが教職員の不満を招いています。また休校の影響で、夏季休業が十一日と短くなっています。

教育委員会は、教職員の不安や不満を解消し、安心して職務に取り組める環境をつくる義務があります。まずは、教職員がすべき業務とそうでない業務を切り分け、職務に集中できる環境を早急に整備すべきです。

目次

コロナ禍でも教職員が安心して働ける環境の整備・充実を‼

今年の夏は乗り切れるのか

「現在のコロナ対応が続けば、病気をせずに元気でこの夏を乗り切れるのか不安」という声を聴きます。法律では、労働者の健康及び福祉の確保を図るため具体的措置を講ずるのは、使用者である教育委員会の責務と記されています。

今年の夏、教職員が健康保持、増進のためどうすればいいのか、教育課程の進め方や夏の働き方とあわせて、私たち教職員にとっては喫緊の問題です。

教育委員会は、「夏季における健康保持」の取得促進を通知していますが、お盆期間を挟んだわずか十一日しかない夏季休業で「健康保持」などできません。健康保持・元気回復のための充分な期間と本来の職務に専念するための環境整備を今からでも検討し、保障すべきです。

すべての学校に消毒スタッフ配置を

6月議会で8月までの消毒作業関連の予算がつきました。しかし、実態は作業員派遣を8月まで延長する学校もあれば、7月以降は教職員で、という学校もあり不平等です。

教育委員会としては、希望者が少ないので配置できない、どうしても必要なら学校で探してほしいそうです。教職員不足での言い分が思い起こされます。

教職員による消毒作業に「特別手当」支給を

そもそも消毒作業は教職員の仕事でしょうか。ひと昔前なら、子どものためだから、と言われて、疑問に感じながらもやっていました。働き方改革が進む中、「掃除は必ずしも教職員がしなければいけない仕事」ではないとされる時代です。

消毒作業員の配置は、行政の仕事です。人がいないからといって現場の教職員に任せるのは筋違いです。

教職員を消毒作業に従事させるなら、関連する予算から作業に見合った対価(特別手当)を教職員に支払うべきです。「善意の搾取」は許されません。

教育委員会は、「教職員は、自分の職務に専念するため消毒はしなくていいです。」と言うのが筋です。

検温でも対応がバラバラ

登校時の検温でも、学校ごとに対応が異なっています。

ある学校では、教職員が子どもの登校前に出勤し、所定労働時間に従い、退勤時刻を早くしています。別の学校では、「管理職のお願い」という形で早く出勤させ、退勤は17時となっています。

また、検温を誰が行うかも学校ごとに対応が異なっています。教職員全員、7年生対応、学年の交代制など様々です。どのような方法であっても、以前より早く出勤しなければならないことに変わりはありません。

すべての学校が同様の対応をしているにもかかわらず、出勤、退勤時刻が統一されていないのはおかしなことです。

学校でのコロナ対策は、教職員の負担、家族への負担によって成り立っているのが実情です。

勤務時間が変更となった学校の教員からは、「早い退勤でも、教材準備や部活で4時半には学校をでられないのが現実。結局在校時間が長くなってしまう。」という声も聴かれます。また、「こんな不規則な学校生活がいつまで続くのか」という不安の声もあがっています。

不安・不満を解消し、職務に集中できる環境整備を

現在、教職員の働き方は変形労働化しています。出退勤はバラバラ、休息時間の割振りも全くなし、所定労働時間は無視されています。この不規則な学校運営が、コロナ対応と相まって教職員の不安や不満を助長させ、疲弊させています。

教育委員会は、教職員の不安や不満を解消し、安心して職務に取り組める環境をつくる義務があります。まずは、教職員がすべき業務とそうでない業務を切り分け、職務に集中できる環境を早急に整備すべきです。

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