2015年5月16日に開催した全教北九州市教職員組合第8回定期大会で採択した大会アピールです。
全教北九州第8回定期大会は、安倍内閣が「戦争立法」を閣議決定、国会提出するという、憲法9条破壊を狙う情勢のもとで開催されました。
また安倍内閣は、原発再稼働、社会保障改悪、労働者保護法制改悪、農業破壊のTPPを推進する暴走を一段と加速しています。その一方で、「道徳の教科化」、歴史の真実をゆがめる教科書、一部の学校に多くの予算を集中させ教育の格差を拡大する政策など、安倍内閣は、教育を一人ひとりの成長・発達を保障するものから、国や財界の求める「人材」を育成するための道具としようとしています。その一つとして地方教育行政法の改悪(2014年度)が行われ、5月18日には市長と教育委員で構成される、第1回の「総合教育会議」が小倉リーセントホテルで行われます。また、福岡県、北九州市独自の学力テストも計画されています。このように福岡県や北九州市も国の方針に追随しているのです。
地方政治においては、大阪市解体を問う住民投票が行われる大阪市のように、地方自治を根幹からゆるがすような策動が行われています。北九州市では、2017年度からの政令都市事務・権限移譲を控え、財源の目減りした中でこの日をどう迎えるのか、教育予算をどう確保していくのか、課題が山積みです。
しかし、そんな情勢を跳ね返す、平和や人間らしい暮らし、ゆきとどいた教育の実現をめざすための運動も高まっています。
昨年の7月に行われた「集団的自衛権行使容認の閣議決定」に「ぼくたちは戦争に行くの?」と多くの子どもたちが不安にかられました。「戦争で人を殺しも殺されもしない国でありたい」その願いをもって、全教北九州女性部では、全労連女性部の「憲法を守りいかす2015憲法連続行動」の行動提起に応え、独自チラシ、横断幕や女性部の旗を作成し計4回の街頭宣伝をおこないました。
職場では、長時間過密労働が働く教職員の心と身体を蝕んでいます。全教北九州がこれまで要求してきた少人数学級や専科教員の配置などについて、課題は残しながらも運動の前進がみられました。これは、長年30人学級実現の署名にとりくんできた成果です。昨年は全教北九州だけで3000筆の目標を上回ることができました。このことが運動を継続していく意欲につながりました。
討論の中で、教職員評価と賃金リンクなど教職員を分断しようとする力が強くなる中、子どもたちの成長・発達、そして自分たちの尊厳をかけて、授業づくりや職場づくりに奮闘する発言が共感を呼びました。「声をかける、話を聞く、つながる」の全教運動を地道に行い、加入者を迎えた経験も語られました。青年加入者の決意には、参加者全員が元気をもらえたのではないでしょうか。
今大会は、青年部員数が昨年度比2倍以上に、2014年度総合共済新規加入者が昨年度比192%という組織拡大の上げ潮の中で「全教北九州組織拡大3カ年計画」を決定し、子どもと教育、教職員の生活と権利を守るため、そして何よりも平和を守るためにも全教北九州を強く、大きくし、学校と教育に希望をきり拓くことを呼びかけ、その決意を固め合うものとなりました。
戦後70年を迎えた今年、今また、教育を国家や財界のためのものとするか、子どもたち一人ひとりの成長・発達をささえるものとするかが問われています。 全教北九州は、教え子を再び戦場に送らない決意とともに、子どもたちに寄り添い、憲法と子どもの権利条約にもとづいた運動をすすめていく決意をするとともに、すべての教職員、保護者のみなさんにそのための共同を呼びかけるものです。