全日本教職員組合(全教)と教組共闘会議は毎年2回、政令指定都市の教育行政の状況、教職員組合の取り組み等を交流する会を開催しています。2023年度の第2回政令市関係教組交流会は、全教北九州市教職員組合がホストとなり、12月9日と10日に開催されました。
政令指定都市の教育、労働条件・「働き方改革」の現状を交流
深刻な教員不足と姑息な対策
教員不足はどこの政令市でも深刻です。中には未配置が10月1日時点でも150人以上あるところがあります。また未配置が40から50人という状況も珍しくありません。
教育委員会も解消を模索しているようですが、臨免対応でその場をしのぐなど正規教員を増やすことなく解決しようとして逆に現場の負担が増えている現状も報告されました。
広島市では、教員免許を持たず、教員経験ない人に担任をさせた結果、周囲の教員がフォローにおわれ多忙になっているそうです。また、大学4年生の教員免許取得者を任用するケースも見られました
まずは正規教員の採用を
京都市は、講師のプール制を導入し、学校に加配教員を配置していますが、未配置は解消していません。神戸市は、採用試験の倍率3倍を超えていますが、補欠合格をだしています。
一方で実力があるベテラン講師が、なかなか採用されないという報告もありました。この問題については、教育委員会が将来の児童生徒数減少を見越して、ベテラン講師を教員不足の調整弁として意図的に採用せず確保しているのではないかという話もありました。
魅力ある職場環境の整備と待遇の改善が必要
20代、30代の退職が増えています。ある組合の調査によると、若い教職員の8割が何らかの悩みを抱えており、1割が「教職に魅力を感じない」と回答したそうです。魅力ある職場環境の整備、長時間過密労働の是正と給与等の待遇改善のとりくみの必要性を参加者全員で共有しました。
これって必要?教育DX
さいたま市では、既に大阪市などで導入されている「スクールダッシュボード」を186校でテスト運用しています。児童生徒の個人情報が一元化され、子どもたちは1日に8回「心の天気」を打ち込みます。保健室来室の回数が、個人はもちろんクラスや学校ごとに数値化されます。このような数字が、勤務成績に使われるかもしれません。
迷走 チーム担任制
ニュースなどで最近見受けられる「チーム担任制」が、広がっています。学校によっては、非常勤職員までがグループに入れられているところもあるとか。子どもや保護者は誰に相談していいのかわからなくなっている一面もあるそうです。
子育て支援休暇が拡大
広島市では、対象が中学生にまで広がりました。病院が、中学生の受診にも親の同伴を求めることが増えているからだそうです。
夏季休業中の働き方
堺市(大阪府)では、夏季休業中に「時差出勤」(7時~、7時半~、8時~、10時~)「在宅勤務」(自宅への出張扱い・夏季10回まで冬季3回まで)が認められています。