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新聞全教北九州2023年11月号

今年度の給与改定交渉が終了しました。今回の給与改定では物価上昇分を補うには全く足りませんが、全員のプラス改定とこれまで全教北九州が要求してきた再任用教職員の給与増額と会計年度任用職員への勤勉手当支給も実現しました。また、令和7年度から勤務成績の賃金リンクを導入すると明らかにしました。

目次

教員は何を頑張れば給与で報いられるのか

教員にも子どもにも問題しかない「賃金リンク」

今回の交渉では、勤務成績を給与に反映させる制度の導入について時間を費やしました。これは特に優秀な勤務成績(総合評価A)の教職員の給与を、昇給により引き上げるというものです。昇給を享受できるのは全体の10%程度にすぎません。

教育委員会は、この制度改正で「頑張っている教員に対し給与をあげることで報いたい」と言います。しかし、どのような「結果」に着目して、「成果」とみなすのかというのは極めて困難な問題であり、「頑張る」教員を公平・公正に評価できるのか多くの教職員が疑問をもっています。

また、勤務成績を給与に反映させることで、教員間に大きな賃金格差が生じます。さらに良い成績を得るために、評価を実施する管理職の意向に沿った教育活動が行われ、教員間・学校間で学力テストの点数などの可視化しやすい「結果」を競いあい、自らに長時間労働を強いることも考えられます。

文部科学省の21年度「不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書」では、小学生が最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけで一番割合が高いものは「先生のこと(先生と合わなかった、先生が怖かった、体罰があったなど)」が30%であったことが明らかにされています。教員が「結果」を競いあう学校は、このような子どもたちを増やすのではないでしょうか。

「勤務成績の賃金リンク」は教育現場で大切にされてきた共同の精神だけでなく、子どもたちの学びも破壊する危険性のある、問題しかない制度改正です。

「賃金リンク」より働き方に見合った待遇改善を

教育委員会は「賃金リンク」より、働き方に見合った賃金増額などの待遇改善など、任用の形態を問わずすべての教職員が享受できる施策を教職員に示すべきです。

全教北九州は、勤務成績を給与に反映すべきではないと主張し、制度導入について再考するよう要求しました。

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