教育は人と人を結び、過去と未来をつなぐ営み
「戦後の終焉」
被爆・戦後80年の昨年は、二度と核兵器は使用しない、戦後をさらに続けるという当たり前の願いが、不気味な影に覆われ、むしろ「戦後の終焉」とも呼ぶべき状況のように見えます。稀代の悪法である治安維持法の制定百年、廃止80年を経て、スパイ防止法に執着する政党が複数現れ、政権与党も同調する、という事態も生じています。
存立危機事態についての不用意な発言がきっかけで対立が深まっていることがわかっていても、撤回することなく、持論に固執する首相のもとで、戦後日本社会が築いてきた平和主義や民主主義など、憲法の理念が著しく損なわれつつあるのではないでしょうか。
希望はどこにあるか
そんななかにあって、私たちはこの状況にしっかりと異議申し立てするとともに、希望を語り続けねばならないと思います。その希望はどこにあるか。
ひとつは、教育という営みそのものです。日々、子どもたちが、言葉や振る舞いで投げかけてくる問いに、教職員は向き合い、応答します。教育は人と人を結び、過去と未来をつなぎます。どれほど新自由主義があおられようとも、孤立や分断を乗り越え、社会をつくる人間的な営みです。一方、私たちは教育の場が容易に人々を抑圧する装置になりかねないことを知っています。だから、教育のあり方を問い続け、冷静に考えあうことが必要です。私たちが教育大運動1741を重視する所以です。
そして、希望は、さまざまな困難を抱え、悩みながらも子どもたちに向き合う教職員をつなぐ一人ひとりの組合員の存在です。話しあう時間もない、集まること自体がたたかいともいうべき職場で日々奮闘している組合員を支えるためにも、組織の拡大・強化が求められます。10万人に迫る総合共済加入者がいる事実は、組織拡大の大きな可能性となっています。
情勢を前向きに動かす1年にしよう
1991年3月6日、「私たちは、全国100万教職員の要求実現のため、その中核となってたたかう」と行動綱領に記して全教はスタートしました。2026年は、すべての職場で組合加入を働きかけ、情勢を前向きに動かす1年にしましょう。
教職員の処遇改善をごいっしょに(全教北九州年頭のごあいさつ)
2025年は「せんせいの学校」の開校式に始まり、バスハイク、プロ野球観戦など、例年にも増してみなさんと学び、笑顔になる機会を持つことができました。一方でハラスメント相談もあり、今も対応中です。集まれば現場の忙しさや働きにくさなどが語られ、教職員の処遇改善が早急に求められます。
ところが、昨年改正された給特法は、教職員の処遇改善どころか「このままでは学校がもたない!」状況に拍車をかける法律となりました。1月から教職調整額は4%から5%へ、担任手当3000円支給(1月分は2月に2カ月分支給)する一方で義務教育等教員特別手当の削減、担任手当から特別支援を除外、他学年指導手当廃止等が実施されました。さらに令和9年1月から特別支援教育に関わる給料の調整額が削減されます。
全教北九州は、仕事と子育て・介護が両立でき、自分の生活も大切にできる働き方を目指して、教育委員会交渉、学習会などに取組んでいきます。職場の仲間を増やし、働きやすい職場にしていきましょう。
学び合い、語り合い、つながりあおう
(障害のある子どもの教育を語り合う全国学習交流集会)
2026年1月10日、11日の2日間、千葉県で「第25回障害のある子どもの教育を語り合う全国学習交流集会」が開催されました 。通常学級の教員や保護者が多数参加する「垣根を越えた学び」の場となった本集会は、2日間でオンライン参加を合わせてのべ約860名が参加、全教北九州からも2名が参加しました。ここでは印象に残った5つの視点を紹介します。
主役は子どもたち
集会のオープニングを飾ったのは、特別支援学級の子どもたちによる「よさこい」のステージでした。広い舞台の上で、一人ひとりが自分の「得意技」を、喜びと自信に満ちた表情で披露してくれました。子どもたちが楽しみながらやっていることが伝わり、見ているこちらも楽しくなるステージでした。
理解されなくて困っている子
私たちはつい、目の前の「困った行動」をいかに直すか、という発想に陥りがちです。しかしその行動の裏には、どんな満たされない思いや、伝えられないSOSが隠れているのかを理解する必要があります。
また、私たちが「即意見・指導」をしてしまう背景には、時間や心の「余裕のなさ」があるという現状も指摘されました。忙しさの中でも一歩立ち止まり、まず理解しようと努めること。この姿勢の変化が、子どもとの関係性を根本から変える力を持っていることに気づかされます。
不登校は「健全」なサインかもしれない
不登校シンポジウムでは、不登校を子どもが置かれた状況に対する「健全」な反応として捉える、という視点が提起されました。この視点に立つと、「いかにして学校に戻すか」ではなく、子どもの選択を尊重し、その子にとっての最善の学びの形を一緒に探していく。その重要性を改めて感じました。
障害の荷物を「小さくする」方法
「学級づくり」の講座では、ある参加者の「障害の荷物を小さくする方法があるという言葉に感動した」という感想が印象的でした。
特別支援教育の目的は、本人が抱える困難という「荷物」の重さを、周囲の環境や仲間との関係性によって「小さくする」手助けをすること。そして、そのための最も重要な場の一つが、日々の学級です。仲間と互いの成長を感じ合い、励まし合えるクラスは、学習の場を超え、一人ひとりの人格を形成する大切な居場所となります。大切にされる経験こそが、自己肯定感と他者への信頼を育みます。
子どもの目線で世界を見つめ直す
記念講演では、立命館大学教授で特別支援教育がご専門の三木裕和さんが登壇されました。講演を受けて、ある通常学級の先生は「通常学級にいるとどうしても『指導』の目線になってしまいますが、あらためてその子の目線になってみるということを大切にしていきたいと思った」と感想を述べています。
自閉症の子どもたちが感じる世界、その不安や幸福感を本当に理解するためには、一度私たちの視点を手放し、子どもの目線で世界を見つめ直す「共感」の姿勢が不可欠です。
良かれと思って用いる「スケジュール」や「構造化」「個別化」といった手法も時に子どもを追い込んでしまう危険性があるという指摘もありました。大切なのは、まず子どもの心に寄り添い、世界がどう見えているのかを想像することから始める、ということなのでしょう。
あつまれば元気、語りあえば勇気、グチも磨けば要求に
(女性部 フラワーアレンジメント講座(12/24)新春学習交流会(1/10))
フラワーアレンジメント
12月24日、組合事務所で黄金市場のお花屋さんに指導していただき、正月用のフラワーアレンジメントを楽しみました。
この企画は今年で4回目です。回を重ねるにしたがってみなさん手際が良くなり、それぞれの個性が出た「映える」楽しい作品を仕上げました。なかには30分もかからずに仕上げる人もいて、後半は、作品を前にお菓子を食べながらお互いに近況などを語り合い楽しい時間をすごしました。
女性部新春交流会
1月10日、市内で「女性部新春交流会」を開催しました。
市内で障がい福祉サービス事業などを展開している「創造館」が販売しているお弁当や「洋菓子のカワグチ」のアップルパイでお腹が満たされ、一人ひとりの近況を聞いて心も満たされました。それぞれの職場でいろんなことがありながらも、みなさん工夫もされ、このように繋がっていける嬉しさを感じた時間となりました。「集まれば元気、語り合えば勇気」がテーマのこの交流会。今年も元気をもらえました。
連載 北九州の戦争遺跡―女子挺身隊宿舎その1(小倉南区)
1944年1月の閣議決定「緊急国民勤労動員方策要綱」をうけて8月に「女子挺身隊勤労令」が公布、さらに「国民職業能力申告令」改正により12歳以上40歳未満の未婚女性が挺身隊員の対象となりました。当初は女学校等の卒業生を組織しましたが、すぐに在校生が組み込まれ地方長官(現在の都道府県知事)の命令で官民の軍需工場に動員されました。
小倉陸軍造兵廠には、県立山口高女、中村高女(以上山口県)、県立折尾高女、同直方高女、同八女高女、勝山高女、九大医学部(以上福岡県)、県立山鹿高女、本渡高女(以上熊本県)など約500人が動員されたといわれています。彼女たちは城野の宿舎に寝泊まりし毎日隊列を組んで出勤し、風船爆弾の製造などに従事しました。
この宿舎の門柱の1本が元城南中学校寄宿舎入口付近に現存しています。もう一方は道路をはさんだ向側にあったようです。






