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(全教談話)戦争をしない国」から「戦争をする国」への転換を許さず、子どもたちに平和な社会と未来を手渡すたたかいに全力をあげよう~第51回衆議院議員総選挙の結果を受けて~

全教(全日本教職員組合)は、2026年2月12日、書記長談話『戦争をしない国」から「戦争をする国」への転換を許さず、子どもたちに平和な社会と未来を手渡すたたかいに全力をあげよう~第51回衆議院議員総選挙の結果を受けて~』を発表しました。


2月8日、投開票がおこなわれた第51回衆議院議員選挙は、自由民主党が316議席を確保しました。一つの政党が単独で3分の2の議席を保有するのは戦後初めてであり、改憲発議に必要な310議席を大きく上回る結果となりました。

今回の総選挙は、通常国会冒頭で衆議院が解散され1月27日公示、2月8日投開票という戦後最短の選挙期間という異例の形で実施されました。物価高騰、賃金停滞、教育・医療・福祉の深刻な危機など、山積する内政・外交課題があるにもかかわらず、裏金問題や統一協会との癒着といった重大な問題について、国会での追及から逃れ、政権基盤の強化を最優先する「党利党略」の解散でした。憲法に明記されていない解散権を濫用し、国民に判断基準も考える時間も与えない今回の選挙に至る経緯は民主主義の蹂躙です。

全教は、衆議院解散当日の1月23日、全国代表者会議を開催し、国民を置き去りにした高市自維政権の傍若無人な政治を許さず、国民本位の政治の実現、憲法をいかし、いのちとくらし、教育を守る新しい政治の実現をめざして意思統一をはかり、選挙闘争方針を確立しました。政党支持の自由、政治活動の自由を堅持しながら、「教育予算の大幅増を」「戦争への道につながる排外主義を許さない」「憲法を生かし、いのちとくらし、教育を守る新しい政治を実現しよう」と高市政権の転換を訴え、参政権の積極的な行使を呼びかけました。

しかし選挙は、教育条件を前進させる各種署名の紹介議員が激減させる結果となりました。ゆきとどいた教育の実現を求め、あきらめることなく引き続きさらなる運動を展開していきます。

今回の選挙は、憲法改悪、大軍拡、排外主義を公然と掲げる自民党、日本維新の会、参政党などの動きに加え、高市政権に正面から対抗する立場を放棄し、立憲民主党が公明党と合流し結成した新党「中道改革連合」など、政党全体の右傾化が一層強まりました。安保法制に反対し、「市民と野党の共闘」の一角を担う立憲民主党が解党したことは、運動を積み重ねてきた市民への重大な背信行為です。

護憲勢力が大きく後退する結果となりましたが、一方で、平和と民主主義を守ろうとする市民が声を上げ、今後につながる新しい連帯の輪の可能性も生み出されました。

今後、2月18日に召集される特別国会で、新たな高市自維連立政権が発足する見通しです。高市政権は、具体的な政策を「国民会議」に財源をどうするかも含め丸投げし、国民の切実な願いを後回しにする一方で、アメリカいいなりの大軍拡路線を加速させ、非核三原則の見直しにも言及するなど、戦後日本が築いてきた平和の原則を大きく揺るがしています。トランプ大統領は、投票日の直前に、SNSで高市首相と自維連立政権に対し「完全かつ全面的な支持」を表明しました。あきらかな内政干渉にもかかわらず、高市氏は謝意を発信しています。

最優先すべきは、議員定数削減の具体化や医療費4兆円削減の検討などではなく、民主主義の基盤や国民のいのちと健康、くらしを守る政策です。給食無償化、高校授業料無償化、教職員定数改善が実行できる予算を早急につくるべきです。

今回の総選挙の結果をもって、山積する問題がなくなるわけではありませんし、改憲や大軍拡など「国論を二分する」政策について、国民の「信を得た」ことには決してなりません。有権者数に占める自民党の得票割合は26.9%です。国民の多くは日常的な困難に直面し、政治的転換を求めています。情勢と要求実現の道筋を共有することは充分可能です。

全教は、長年にわたり30人学級や教育無償化などを要求し、政治を動かし前進させてきました。「スパイ防止法」をはじめ、国民を監視、弾圧する一連の動きは、安全保障を口実に、国民の知る権利、表現の自由、学問の自由を萎縮させ基本的人権を侵害する危険なものであり、戦前を想起させます。憲法9条と市民の運動が、戦後80年、日本を「戦争しない国」に押しとどめてきました。

憲法の理念を世界に広げ、武力行使や抑止力ではなく対話による平和的外交によって国際秩序を構築していくことは、世界における日本の重要な役割です。さらに、憲法が掲げる理念は、すべての子どもの人権が大切にされる民主的な教育の中でこそ根づき、育まれていきます。子どもを権利の主体であり主権者としてとらえることは、未来につながる希望です。その成長を支える教育の役割と可能性に、私たちは確信を持つものです。

全教は、広範な市民、保護者、多くの労働組合とも連帯し、「戦争する国」づくりに反対するたたかいをいっそう粘り強くすすめていきます。憲法公布80年となる2026年、全教は、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを高く掲げ、平和憲法のもとで築かれてきた「戦争しない国」を「戦争する国」へ転換することを断じて許しません。憲法を守り、いかし、子どもたちに平和な今と未来を手渡すため、全力でたたかう決意をあらためて表明します。

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