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(全教談話)高市自民・維新連立政権の暴走を許さず、いのちと暮らし、民主主義を守る運動と世論を国民の連帯でつくりあげていこう

全教(全日本教職員組合)は、2025年10月31日、書記長談話『高市自民・維新連立政権の暴走を許さず、いのちと暮らし、民主主義を守る運動と世論を国民の連帯でつくりあげていこう』を発表しました。


10月21日、臨時国会が召集され、自民党の高市早苗総裁が、第104代首相に選出されました。同日中に組閣が行われ、平和やジェンダー平等とは真逆の方向へすすもうとしている自民党と日本維新の会による反動的な連立政権が発足しました。自民党と日本維新の会による連立を推し進めた合意内容は、参院選挙で焦点となった企 業・団体献金の規制や社会保険料の引き下げ、消費税減税といった課題を事実上先送りする一方で、改憲や敵基地攻撃能力の強化、外国人規制の推進といった政策を列挙しました。少数意見の排除につながる議員定数削減に ついて維新は、企業団体献金禁止の主張をかなぐり捨て、連立合意の絶対条件として、1割を目標に衆議院議員定数削減を臨時国会で成立させることを盛り込ませました。高市政権は、政治不信の払拭や物価高に苦しむ国民の暮らしへの対策より、社会保障費の削減、改憲と大軍拡・日米同盟強化を強力に推し進め、平和・暮らし・経済に重大な打撃を与えるものです。

翌日の22日、高市首相は全閣僚向けの「指示書」を発出しました。これまでも毎内閣で出されているものの、 このようにマスコミにもアピールし、詳細で具体的な政策が列挙されたことは異例のことです。厚生労働大臣にあてた「指示書」には、労働時間規制の緩和検討が明記されました。労働基準法の見直しを議論する厚労省の労働政策審議会は「今以上に規制を緩和する必要はない」などと批判し、緩和に反対の立場を明確にしています。 文科大臣への「指示書」には、教職員の長時間過密労働解消の課題も未配置の問題もまったく触れられていません。「多様な価値に対応できるよう複線的な教育制度へと抜本的な改革を行う」ことを明言し、「GIGAスクール構想を進め、時間・場所・教材等に制約されない質の高い教育を実現する」としています。教育のICT化をさらに推進させる方針です。また「産業界のニーズを踏まえ」、「未成長分野に挑戦する人材を育成」し、「産学官連携による最先端の科学技術・イノベーションへの投資を拡大する」と、露骨に教育の目的を蔑ろにし、財界の要求にすり寄った教育への介入の危険性を示しています。

さらに、24日、高市首相は臨時国会において所信表明演説をおこない、あらためて、防衛費の増額前倒しや外国人への厳格な対応など、具体策を示し、保守的な政策をすすめる立ち位置を鮮明にしました。「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」と繰り返し述べ、防衛費を年度にGDP比で2%に増額する現行目標については「補正予算と合わせて、今年度中に前倒して措置を講じる」としています。さらなる防衛費増を視野に入れた安保関連3文書も、26年度中に前倒しで改定することをめざす考えを示しました。外国人政策をめぐっては、 政府の司令塔機能の強化を打ち出し、「排外主義とは一線を画す」としつつも、「政府として毅然と対応する」と主張しています。

高校の無償化・給食無償化については、来年4月からの実施を前置きにしながら、高校教育のあり方を見直す と述べています。何度も登場する「強い経済」の文脈で、「科学技術・人材育成に資する戦略的支援を行い、『新技術立国』を目指す」ための見直しです。民主主義や立憲主義について触れられることはなく、憲法は、「改正」 の必要性の中で登場するのみです。
高市首相は、国是である「非核三原則」を否定する持論を以前から展開しており、戦後日本の民主主義・平和 主義を根底から破壊しかねない、かつてない危険な政権です。憲法9条改悪、大軍拡、社会保障削減、「スパイ防止法」制定などの悪政をすすめようとしています。選択的夫婦別姓は認めない立場も明確にしています。

全教は、高市自民・維新政権の暴走を許さず、国民のいのちと暮らしを最優先にする政治への転換とゆきとどいた教育実現のため、国民の連帯で世論と運動を広げ、たたかうことを決意します。

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