2019年4月1日
貴職におかれましては、昨年の労使交渉以降、私たち全教北九州市教職員組合の要求書について鋭意ご検討していただき感謝申し上げます。
さて2017年4月より教職員が市費職員となり、2年が経過しました。給与については給料表の改定が行われたものの教員の要求とはほど遠く、また教育職員以外の職員については引き上げもなかったことから満足のいく回答には至りませんでした。また、休暇等でも県並みの制度への早期の転換が求められます。
一方、教育現場では長時間過密労働が改善することなく続いています。国を挙げての「働き方改革」が叫ばれてはいますが、中教審「働き方部会」が答申した「一年単位の変形労働時間制」や「時間外労働上限45時間のガイドラインの策定」等は現場の教職員の実態から目をそらし、時間外労働の実態をごまかすだけの容認できない内容でした。学級定数や持ち授業時間の見直しはないままで、授業時間以外の補充学習や北九州版学力テストの実施、自校採点、分析、学力定着サポートシステムの活用等、仕事量は増える一方です。さらに小学校3年生以上に「外国語活動」と「外国語」の移行措置が始まり、授業時間数が増えたばかりでなく授業準備の時間すら勤務時間内に保障されない非常事態となっています。専科授業の進捗状況も学校によって差異が大きく、今年度より推進されている持ち合い授業の導入も現場の混乱を招いています。教職員の業務軽減のためには、定数改善や専科教員の配置、学力向上施策の見直しは不可欠な問題となっています。
また、教職員の未配置が現場をさらに苦しめています。正規教職員で定数配置をおこない、子どもたちのために教育に穴をあけないことは教育委員会の最も果たすべき責任のひとつです。
全教北九州市教職員組合は、学校現場で子どもと正面から向き合っている教職員の切実な要求を中心に、2019年春闘期の要求書を提出します。貴職におかれましては、今後とも、憲法と子どもの権利条約をいかした教育施策をすすめていただき、以下の具体的な事項の実現に最大限のご尽力をいただくことを要求します。
第1章 教職員の賃金雇用に関する要求
第1節 給与制度等に関する要求
- 総人件費抑制と成果主義賃金の拡大、「メリハリある教職員給与」の政策を見直し、教員の働き方に応じた適正な教員賃金水準を確保できるよう、国に要求すること。
- 「同一労働同一賃金」の原則に基づき、低位となっている常勤講師の教育職給料表1級を2級水準に引き上げること。
- 地域手当を福岡県の教職員の水準に戻すこと。教育職2級(55歳以上)の職務段階別加算割合をそれまでの10%に戻すこと。できないのであれば、別の手当でこれを保障すること。
第2節 定年の延長、雇用と年金の接続に関する要求
- 現行の再任用制度については、希望するすべての教職員に保障すること。
- 再任用職員が学校現場で果たしている職務の実態を踏まえ、賃金水準の引き上げ、支給する手当の種別拡大をはじめとした労働条件を抜本的に改善すること。
- 再任用教職員を定数から除外すること。また、本人の希望によりフルタイムに戻れる短時間勤務制度など、教職員が働き続けられる条件整備に努めること。さらに、国の責任で必要な予算措置を行い、新規採用の抑制や現在任用されている臨時的教職員の雇い止めをおこなわないこと。
- 「公務員の定年の引上げ」については、定年年齢の引き上げにふさわしい賃金制度と労働条件の改善をおこなうことなど国に要求すること。少なくとも60歳時点の給与水準を保障すること。
第3節 賃金に関する要求
- 教職員の賃金を月額5万円、臨時・非常勤職員の時給を170円以上引き上げること。
- 学校現場に働くすべての労働者の最低賃金を、非常勤職員に対する国の「指針」を最低基準として、月額相当17万円6000円(時間給1000円、日額8000円)以上とすること。また、時間講師の授業時間単価を3000円以上に引き上げるとともに、期末手当を支給すること。
- 賃金改善にあたっては、初任給の大幅な水準引き上げとともに、各年齢段階に応じた生計費の増額、教職員としての経験の蓄積や専門能力の向上を十分に考慮し、中堅・高年齢者の賃金体系を維持し、改善すること。
- 主幹教諭などに対応する「特2級」を廃止すること。
第4節 給料表の適用と格付に関する要求
給料表の適用と格付は下記のようにすること。
- 実習助手
- 高等学校等教育職給料表 2級
- 幼稚園教諭
- 小中学校教育職給料表 2級
- 栄養職員
- 医療職(二)表
- 臨時教員(常勤講師)
- 教育職給料表 2級
第6節 一時金に関する要求
勤勉手当を廃止して支給月数の引き上げをはかり、期末手当に一本化すること。
第7節 諸手当に関する要求
- 「女性の活躍」を口実にした配偶者にかかる扶養手当や配偶者控除の廃止に反対すること。また、扶養手当の支給範囲、支給基準、支給額を改善すること。扶養手当における女性に対する不利益取り扱いを改善すること。
- 借家の住居手当の支給内容を改善し、支給額を引き上げること。
- 交通用具使用による通勤手当を大幅に改善すること。
- 部活動指導をはじめとする教員特殊業務手当を、少なくとも最賃水準を上回るよう、大幅に引き上げること。また、部活動手当の支給要件の見直しにともなう手当の引き下げはおこなわないこと。
- 特殊勤務手当について、実態をふまえて支給額の改善をおこなうこと。
- 主任手当制度を廃止すること。
第8節 臨時教職員の雇用と待遇に関する要求
- 臨時教職員の雇用の安定を図り、賃金、諸手当について正規任用者との均等待遇を図ること。
- 改正地方公務員法・地方自治法にもとづく総務省「マニュアル」をふまえ、年度末に設定されている雇用の空白期間を撤廃すること。空白期間を設けていることによって生じている年金・健康保険の継続、年次有給休暇の繰り越し、6月期一時金などの不利益を解消すること。
- 病気休暇取得教員の代替は、常勤講師をもって充てること。
- 嘱託校務員・事務職員などの任用期限を廃止し、希望する職員に関しては異動を行うことにより継続して任用すること。
- 次年度も引き続き任用を希望している講師に関して、次年度採用の有無について遅くとも3月1日までに本人に文書で通知すること。管理職が講師に確実な情報を伝えるよう指導すること。
- 校納金システム導入により、学校事務職員や嘱託事務職員の精神的、肉体的疲労が増している一方で、超勤も常態化している。それらの職員に対し、労働条件の改善を行うこと。また超過勤務に対しては、必ず残業手当の申請を行うように指導すること。今後は、給食費等を公会計に移行すること。
- 年度末に次年度の講師採用確定者に対しては、健康保険証を返却しなくてよいシステムを継続すること。また、短期再任用、新規に採用する講師については、任用後はすみやかに保険証を発行すること。
第2章 教職員の働き方に関する要求
第1節 時間外労働の解消に関する要求
- 教育委員会は、管理職の目視や出退勤記録などから教職員の在校時間を正確に把握し、超過勤務や過重労働など健康破壊につながる勤務実態に対しては、管理職や教職員に責任を転嫁することなく、削減のために必要な具体的措置を、責任をもって講じること。
- 教育委員会は、教員の時間外労働は臨時・緊急の限定4項目以外は違法であり、許されないとの給特法の趣旨を全ての学校に徹底すること。勤務の割振りの4項目を見直すこと。現に存在している時間外勤務については「振替」などで適切に調整すること。
- 中学校は全校、小学校でも「昼休み」を分割付与する学校が増えているが、45分間の休憩はほとんど取れていないのが実態である。教育委員会は、休憩時間が取れていない違法な実態を把握すること。管理職が休憩時間付与義務を守らない職場に対しては、労基法の趣旨を徹底させるとともに、違法行為を排除するための指導を教育委員会の責任でおこなうこと。
- 超過勤務の具体的解消に向け、行事や会議、研修の削減・精選を教職員の合意のもと進め、勤務時間内に退勤できるための労働環境の改善、整備をおこなうこと。
- 勤務時間の適正化に向けて、児童生徒の下校時間を早め、教員の教材研究の時間、評価に関わる事務処理の時間を勤務時間内に確保すること。多忙化の原因にもなっている業間や授業時間終了後の補充学習はおこなわないこと。
- 子どもたちに豊かな学力、人格形成の教育の場を保障するための教材研究の時間、及び成績評価の時間、その他事務処理など教員の職務遂行に必要な仕事が勤務時間内で完結できるようにすること。
- 教材研究、成績処理等の時間を勤務時間に確保するため、全ての教員の持ち授業時数の上限を小学校で週20時間以下、中学校では週18時間以下(道徳、総合、学活、裁量を含む)とすること。
- 上記の実施を行うために必要な専科教員をすべての小学校に配置すること。また、その場合定数外で配置すること。
- 行き過ぎた授業時数の確保を行わないこと。夏季休業日の短縮に伴い、1週当たりの小学校の授業時数を最大29時間に戻すこと。
- 学期末、学年末などにおこなう成績、評価などの必要不可欠な業務に対しては、勤務時間内でおこなえるよう短縮授業などを活用すること。
- 生徒指導、保護者対応などによる時間外勤務や緊急の補導業務については、特殊勤務手当の支給対象とすること。
- 曖昧になりがちな超過勤務の時間を正確に把握するため、超過勤務を記録する帳簿を作成し、超過勤務に対して適正な手当の支給、割振りをおこなうこと。
- 教職員の定数については完全に配置し、教育に「穴をあけない」こと。
- 教職員定数は、正規教員で配置すること。
- 現場の教員定数を剥がして任用している各種加配教員を学級担任に戻すこと。どうしても必要な場合は定数外で任用し、現場の負担を軽減する策を講じてからおこなうこと。また、生徒指導上の問題への対応や教員の補欠授業のため、学校規模に関係なく、学級担任外の加配教員をすべての学校に配置すること。
- 部活動による長時間過密労働を解消するため、勤務時間の割振り変更の措置、最低でも土日のいずれかを休みとするなど、具体的な措置を徹底すること。
- 研究指定校を大幅に減らすとともに、これに関わる会議や資料作成を減らすこと。
- 宿泊を伴う行事を土・日・祝日に実施しないこと。やむを得ず行う場合は、適正な振替、割振りを行うこと。
- 宿泊を伴う行事では、その実情や実態を充分勘案し、適正な勤務時間の割振りだけでなく、宿泊による疲労に対する元気回復措置を行い、精神的、身体的負担に対する補償をおこなうこと。
- 民間でも在宅勤務が促進されている実態に鑑み、長期休業中における「自宅研修」を復活させること。
- 若年教職員に対する研修や教育論文の強要はおこなわないこと。また、校内新採研修は勤務時間におこなわせること。
- 校務支援システムによる週案記入の強制やテストの得点の入力、特別支援教育などにみられるシステムを活用した報告書や資料の作成の増加などにより子どもと触れ合う時間が奪われているという状況を改善すること。
- 月締めなどで混乱している校務システムを早急に改善すること。
- 年休など各種有給休暇の完全取得を保障すること。年休の取得率の数値目標をたて、そのための「年間計画」を各学校で策定・実施することを奨励すること。年休など休暇を取った場合、補欠授業に必ず入ること。年休の少ない職員に年休取得を強要しないこと。
- 年度の途中で産休に入ったり任用が切れたりする教職員や条例外の学校支援講師に、割振りを確実に取らせること。
- 授業時間の増加、2019年度からの夏季休業日の短縮等を踏まえ、土曜日授業を実施しないこと。
第2節 育児介護に関わる制度に関する要求
- 育児・介護に関わる休暇制度を改善し、男性の取得促進を具体化すること。
- 介護休暇の取得期間を被介護人一人につき1年間とし、同一疾病での再取得を可能にするとともに、事前申請手続きの緩和、要介護期間の制限撤廃、代替教職員の配置などの改善をおこなうこと。また、所得補償措置をはかること。
- 短期の「介護休暇」における取得日数を増やすこと。
- 家族休暇制度を新設すること。両親、義父母、兄弟姉妹、子を対象に、予防接種、健康診断、疾病・けが治療などにあたれるようにすること。
- 子育て支援休暇の対象を中学校卒業時までの子、特別支援学校高等部在籍の子とすること。
- 育児のための短時間勤務制度について、代替措置の確保など条件整備をおこなうこと。
- 育児休業の無給規定を撤廃すること。当面、所得補償期間の延長と「手当金」支給水準改善など、所得補償措置を改善、拡充すること。また、部分休業を有給とすること。
- 3か月以下の育休取得者について、期末手当を減じないこと。
- 1年以上の代替は正規教員で配置すること。また、部分休業も代替措置とすること。
- 育児時間を少なくとも1日120分にし、3歳未満まで延長すること。
第3節 その他の休暇制度に関する要求
- 学期途中で産前休暇に入る教員の代替教員を学期初めから任用し、当該者の労働緩和をはかるとともに児童生徒への対応がスムーズにおこなわれるようにすること。
- 母性保護のための休暇を保障し、拡充すること。産前産後休暇についてはそれぞれ10週間とすること。
- 臨時・非常勤職員の産休取得にあたって、代替措置をおこなうこと。
- 不妊治療のための休暇制度を確立すること。
- 更年期障害に対して、健康相談、通院保障、休暇、労働軽減などの措置を設けること。
- 臨時・非常勤教職員の休暇等について、常勤教職員に準じた制度にすること。
第4節 病気休暇制度に関する要求
- 教職員の負傷または疾病のための治療、休養にあたっては、特別休暇による病気休暇の取得を保障すること。
- 病気休暇の取得単位を1時間とすること。
- インフルエンザ以外の疾病についても、診断書の提出を7日以上の場合にすること。
病気と仕事の両立支援に関する要求
- 病気と仕事の両立支援の制度を確立すること。
- 癌をはじめ長期の治療を受けながら勤務をすることができるように、短時間勤務制度を新設すること。
- 長期療養から復帰する場合、勤務内容の軽減を図ること。
- やむなく一旦退職を余儀なくされた療養者が完治した場合、特別採用制度を設けること。
第3章 教職員の評価に関する要求
- 職場における教員間の共同を妨げる教職員評価を押しつけないこと。
- 教員評価と賃金・処遇をリンクさせないこと。
- 教員評価制度に、評価結果の本人開示や苦情処理など、恣意的・主観的評価をチェックするしくみを確立すること。
- 学校長は、評価制度の変更や、開示請求や不服申し立てについて、全職員に説明をすること。
- 不服申し立てについては、教育委員会に苦情処理委員会を設置せず、労使双方に中立的弁護士を含む第三者機関に判断をゆだねること。
- 自己評価・自己申告書の裏にある「教育委員会施策に対する提言」に書かれた内容については、回答を含め教職員に公表するとともに、施策にいかすこと。
第4章 国民のための民主的な公務員制度の確立と労働基本権の回復に関する要求
- 「教員の地位に関する勧告」(1966年勧告)の立場に立ち、教職員の賃金・労働条件に関わる事項は、すべて「合意を前提とした」交渉事項とするとともに、教育施策については協議事項とし、定期的な協議の場を設けること。要求書に基づいた交渉がさらに実効あるものになるようにするため、教育長、教育次長、教職員部長、教職員課長との直接交渉の場を設けること。
- 管理運営事項であっても、労働条件に係る事項は交渉事項とし、その他の事項は協議事項とすること。
- 教育行政として教職員の公民権の行使を最大限に保障するとともに、「教育の政治的中立性」を守る立場に立ち、地位利用にならない個人的な政治活動まで一律禁止する通知を学校現場に出さないこと。
第5章 教職員のいのちと健康を守る施策に関する要求
- 文科省発出の「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行について」および「公立学校等における労働安全衛生管理体制の整備について」をふまえて、服務監督権者の責任を明確にするとともに、管理職の責任による教職員の勤務時間管理をすすめること。
- 職場環境の改善など労働安全衛生法にもとづく健康・安全の施策と予防措置をおこなうこと。
- 教職員の健康相談、メンタルヘルス相談に対応するため、すべての学校に実施が義務付けられた長時間労働教職員の「医師による面接指導」を訪問形式で確実に実施すること。
- ストレスチェックについて、教育現場にふさわしいチェック項目の設定をはじめ、真に第一次予防に役立つ制度とするため、必要な協議をおこなうこと。
- すべての学校に男女別トイレ、更衣室、休憩室の設置、保健室・プールに温水シャワーを設置すること。
- 妊娠教職員、病気加療中、休職明けの教職員などの労働軽減をおこない、必要な代替教職員を配置すること。
- 腰痛多発職場である特別支援学校の労働条件を改善すること。
- 労働安全衛生委員会の趣旨をいかすため、職場に配置されている衛生推進者を機能させること。
- 労働安全衛生委員会の平等、公正を担保するために北九州市教育委員会安全衛生委員会、北九州市総括労働安全委員会に全教北九州市教職員組合の委員を加えること。
第6章 職場におけるハラスメント対策に関する要求
- パワーハラスメント、及びセクシャルハラスメントの実態を調査すること。
- 各学校長、教育関係における各部署に向けて、パワーハラスメント及びセクシャルハラスメントを防止するための指導文書を出し、職員研修を行うよう指導すること。
- ハラスメントは「どこの職場でもある」という認識のもと、教職員が安心して働ける職場環境を整えること。
- 公益通報制度を含む相談窓口を全職員に周知徹底すること。
第7章 憲法と子どもの権利条約に基づく民主的教育確立に関する要求
- 「特別の教科 道徳」の指導と評価のありかたについては、児童生徒の内心の自由の侵害につながらないようにすること。
- 小学校における中学年での「外国語活動」、高学年での「外国語科」の先行実施による教員の負担軽減のため、全小学校での専科教員の配置を行うこと。
- 教員免許更新制に関し、教育委員会が責任をもって「意図しない失効」がうまれない体制をつくること。
- 教科書採択のために、教職員、保護者、住民などの声を尊重すること。特に教職員には充分な閲覧ができる時間を確保すること。
- 中堅教諭等資質向上研修、初任者研修は、教職員の自主性を守り、教員の子どもと向き合う時間の確保などの観点からその在り方を見直すこと。
- 教員の専門性や子どもたちの学習権の保障から、免許外教科担任、臨時免許状の授与がなくなるよう教育委員会としての責任を果たすこと。
- 防衛省や自衛隊による中・高校生への入隊の勧誘、職場体験学習や総合的な学習の時間などでの体験入隊、学校行事への自衛隊の参加などがあれば、学校教育への介入をやめさせること。自衛隊に名簿を渡すことは絶対にしないこと。
- 学校制度の複線化につながる小中一貫校、義務教育学校の設置の押し付けや、学校統廃合の押し付けを行わないこと。
- 児童支援加配が参加している全市人権教育担当者学習会(市同教主催)の内容について、教育委員会としてその内容を把握するとともに、求めがあれば公表できるようにすること。
- 支援加配の勤務内容について公教育に反する不適切な勤務実態、事象に対しては毅然とした態度で改善のための指導を行うこと。
第8章 学力テスト・体力テストに関する要求
- 学力・体力向上の施策の過熱により授業時数の確保にも支障をきたしている。学習指導要領により授業数が増えている中、市独自の学力テストは中止すること。学力テスト後の自校採点、過去問対策、単元末テスト、学力定着サポートシステム等の活用を強制しないこと。
- ますます多忙を助長する新体力テストの全学年での実施をやめること。
- 「全国学力テスト」(全国・学習状況調査)は、抽出校のみで実施することを文科省に要望すること。
- 得点競争を助長する「全国学力テスト」の学校別結果を公表しないこと。
- 学力・体力向上の施策のための予算は、少人数学級実施など教育条件整備などに活用すること。
- 学力テストの結果、平均点を下回る教科があっても、その教科教員を対象とする「特別研修」等は実施しないこと。
- 学校に更なる負担を強いる、「ひまわり学習塾」をやめること。また、当該学校の保護者に募集を行わないこと。
第9章 教育条件の整備に関する要求
第1節 学級編成に関する要求
- 小学校・中学校・高等学校の全学年で35人学級を実施すること。
- 35人学級の実施には人的配置をおこなうこと。
- 情緒学級の児童生徒が交流授業に入り40人を超える場合は、その児童生徒の人数も踏まえて学級編成を行うこと。
第2節 特別支援教育に関する要求
- 特別に支援が必要な児童生徒に対する人的配置を充実させること。
- ADHD・高機能自閉症・アスペルガー症候群・学習障害などの困難を有する児童生徒に対する教育的支援を行うため、すべての小・中学校に専任の特別支援教育コーディネーターや学習・生活支援員を配置すること。
- 小・中学校に特別支援が必要な児童生徒が一人でもいる場合は、特別支援学級を設置すること。また、設置基準月を柔軟に運用し、学校からの要望があれば7月を過ぎても設置すること。
- 基準日を過ぎても、特別支援学級では定数よりも1名児童生徒が増えたら、教員を1名加配すること。
- 特別支援学級は一人ひとりへの個別支援が必要であることから、市の独自予算で現行の定数8名を6名に減らすこと。教室の数に合わせて学級編成を行うことをやめること。
- 国に対して、特別支援学級の定数を減らすこと、特別支援学校の設置基準を策定することを求めること。
- 介助員の勤務時間及び労働内容が、介助を必要とする児童・生徒の活動時間や内容とずれがあり、職場に支障をきたしている。介助が必要な児童・生徒の登校から下校まで介助員を置くこと。
第3節 通級指導教室に関する要求
- 必要とする児童生徒が在籍するすべての学校に通級指導教室を設置すること。
- 当面、児童生徒数の上限を早急に13人とし、さらに、一人の教員が担当する児童生徒数は10人以下になるようにすること。
- 通級指導の拠点校化により、担当教員の負担が増大する。今後の通級指導を実効あるものにするために、指導者の育成も含めて配置数を増やすこと。
第4節 学校の施設・設備に関する要求
- 室内の適切な照度、騒音防止等良好な教育環境を確保すること。
- あらゆる災害を想定した校舎等の検査、点検をおこなうこと。
- 校舎・施設の耐震工事を完了させること。
- 校舎・施設の老朽化対策のための補修・改築をおこなうこと。
- 普通教室に加え、特別教室へのエアコン設置をおこなうこと。新年度学級数(通級指導教室を含む)が増えた場合、速やかにエアコンを設置すること。
- 洋式トイレへの改修をおこなうこと。
- LGBTの児童生徒・教職員・来客が利用しやすいトイレ(男子トイレの全個室化・ユニバーサルトイレ等)を設置すること。
第5節 学校への職員配置に関する要求
- 校務員の定員削減をおこなわず、正規職員の新規採用をおこなうこと。
- 学校給食の民間委託を中止し直営方式に戻すとともに、食育やアレルギー対応の充実のためすべての学校に栄養教諭・栄養職員を配置すること。
- 養護教諭の複数配置をすすめること。
- 養護教諭が1人配置の学校における修学旅行等宿泊行事の際には、行事か学校に看護師を配置し、児童生徒の安全を確保すること。
- 養護教諭の病休が長期に渡る場合は、速やかに常勤の代替を配置すること。
- 小中学校の司書配置が地方財政措置されていることを活用し、専任の学校図書館司書をすべての学校に配置すること。当面、学校図書館職員の全校配置をおこなうこと。
第6節 困難な教育課題の解決に関する要求
- いじめ・不登校・暴力行為・非行など困難な教育問題を実践的に解決していくため、すべての小・中学校にスクールカウンセラーを常時配置すること。さらに、中学校には専任生徒指導教員を配置するなど人的支援をおこなうこと。
- 児童生徒・保護者と直接関わっている現場の教職員の要求に沿えるように、教育委員会と管理職は現場教職員への支援を行うこと。
- 教育委員会による生徒指導研修などを学校に強制しないこと。
- 報告書などの提出書類・文書の負担を減らすこと。
- 学校支援のためにスクールソーシャルワーカーを増員し、スクールソーシャルワーカー全員を学校配置とすること。
- 訴訟等の法的なトラブルに備え、弁護士の相談を受けられるようにすること。