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北九州市「会計年度任用職員」の賃金・労働条件等要求書

2018年9月7日

日頃から北九州市教職員の勤務・労働条件の向上に努力されていることに敬意を表します。

昨年度「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律」(改正法)が成立しました。「改正」法では、特別職の任用の厳格化と合わせ、臨時的任用の規定の厳格化等が盛り込まれました。この改正は、地方における「行政改革」や「定員削減」の流れのなか、臨時・非常勤職員が急増する現実と制度的矛盾に対しての制度設計の変更です。しかし、本制度の実施は、臨時・非常勤職員の拡大・固定化を進めるとし、組合として大変危惧をしています。一方、教員不足の今、正規教職員の採用増、臨時・非常勤教職員の待遇改善に目をむける機会であると考えます。

さて、「改正」法では、臨時的任用職員については、給料水準の適切化、旅費、諸手当の支給等について言及しているほか、空白期間の適正化についての規定も明文化されるなど一定の前進が見られます。また、一般職非常勤職員である「会計年度任用職員」に関する規定が設けられました。これには「フルタイム」任用職員と「パートタイム」任用職員が設けられましたが、任用の在り方や勤務条件の確保という観点から不適当なものもあります。予算に総枠が設定されるなか、支給総枠範囲内でのボーナス支給問題や正規教職員ではなく任期のある任用教職員での配置・対応等の拡大を危惧します。

現在、学校現場には多くの臨時・非常勤の教職員が働いています。教育現場は、このような先生方の働きなくしては一日たりとも学校運営、教育活動は成り立ちません。もともと「正規に配置された教職員による学校活動」を大前提としてきた学校現場に、想定を超えた臨時・非常勤教職員が配置されていることが異常なのです。「会計年度任用職員」の制度実施により、臨時・非常勤の教職員が拡大・増加、固定化されることがないようにするため、また任用職員に就かれる方が安心して働くことができる職場環境及び労働条件の確立を求め、下記を要求致します。

  1. 会計年度任用職員制度導入にあたっては、その準備段階から、組合への情報提供及び交渉をもとに、現場の実態と要求を十分に考慮した制度構築を図ること。
  2. 学校に勤務する教職員の任用、服務、勤務条件等については、他の市職員と切り離し教育委員会の責任で決めることができるようにすること。
  3. 臨時・非常勤職員の任用根拠を見直し、職務内容や勤務形態等に適合するように改善すること。※「事務処理マニュアル」6ページ各論2(1)参照
    1. 事務員、校務員を「任期の定めのない常勤職員」に位置付けること。
    2. 産休・育休代替講師は3年以上の任期付職員として任用し、教育職2級を適用すること。
  4. 臨時的任用教職員の任用、服務、勤務条件等について、改正法の施行を待たず早期の改善を図ること。※「事務処理マニュアル」15ページ各論2(3)及び41ページQ&A1-8参照
    1. 現行地公法第22条第2項の趣旨を厳格に守り、定数内欠員補充講師の任用を大幅に削減すること。
    2. 定数内欠員補充講師の任用期間を4月1日から3月31日までとすること。また、代替講師についても、3月31日あるいは任用と任用の間の1日を空白にしないこと。
    3. 常勤講師の給料表適用を2級に改めるとともに、昇給の頭打ち(上限)を廃止すること。せめて福岡県並に正規教員と同等の適用とすること。
    4. 常勤講師の休暇制度を正規教員と同等にすること。
    5. 事務員、校務員の条件付き任用期間をなくすこと。
    6. 非常勤教職員が年度初めから年次有給休暇を使えるようにすること。
  5. 特別職から会計年度任用職員に移行する職員の任用、服務、勤務条件等については、学校の特殊性を十分に考慮し、その職責と見合ったものにすること。
    1. 採用は選考によるものとし、経験と実績を重視した選考を行うこと。また、任用の回数や年数による応募の制限を設けないこと。
    2. 会計年度任用職員は労基法が適用されることを踏まえ、任用期間、給料又は報酬金額、勤務時間、休暇等の条件を詳細に明示すること。
    3. 会計年度任用職員の任期を4月1日から3月31日までとすること。辞令を短い期間で区切ることがないようにすること。
    4. 一般職移行後については現在の報酬金額を下回らないようにし、時間外手当、通勤手当、期末手当等を支給するなど、勤務条件等処遇の改善に努めること。また、現在認められている年次有給休暇や病気休暇をはじめとする休暇制度についてはそのまま引き継ぐこと。
    5. 研修などの機会を保障すること。
    6. 会計年度任用職員には労基法が適用されることから、パートタイムであっても健康診断を実施すること。
    7. 時間外勤務は原則として命じないこと。やむをえず行った時間外勤務については労基法にもとづく時間外勤務手当を適正に支給すること。
  6. 会計年度任用職員制度の導入を円滑にすすめるために、国に必要十分な財政措置を講じるように要請すること。
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