全教(全日本教職員組合)は、2026年1月21日、書記長談話『高市首相による、通常国会冒頭での大義なき解散に抗議します』を発表しました。
2026年1月19日、高市首相は1月23日からの通常国会の冒頭で衆議院を解散し、総選挙を1月27日公示、2月8日を投開票日として行うことを表明しました。自民党の裏金問題や旧統一協会との関係など内政面での課題、台湾有事にかかわる存立危機事態発言を発端にした中国との関係悪化や、アメリカのベネズエラへの軍事侵攻に対する態度などの外交面での課題など、直面している課題に向き合わず、あたかも「そんなことより」高市早苗に全権委任してほしいと言わんばかりの、あまりに身勝手な解散と言わざるを得ません。
結果がどうであれ、総選挙後に特別国会での首班指名、組閣などに時間を費やすことになります。来年度政府予算案の審議は遅れ、年度内の成立はほぼ不可能となり、暫定予算を組むことになります。
今回の政府予算案の中に含まれている、「給食無償化」や「高校授業料無償化」の実施も見通せません。「給食無償化」は、小学生1人あたり月5200円の補助を行う不十分な内容で、5200円におさえるよう現場の学校栄養職員・栄養教諭に圧力がかかれば、給食の安全安心や豊かな食教育が脅かされる懸念もあります。「高校授業料無償化」は、2012年に国際人権規約A規約第13条第2項(b)(c)留保撤回した日本のゆきとどいた教育の実現のために、全生徒を対象に授業料を不徴収とするべきです。しかしその議論の時間も十分にとれません。予算の成立が年度内にできなければ、学校現場や保護者への混乱、その後の手続きの負担が予想され、子どもたちも不安を抱えたまま新年度の学校生活を迎えざるを得ません。
また、教職員定数についても、予算が不確かな中で人員配置を進めることが難しくなる恐れがあります。各自治体の予算編成や執行に大きな影響が出るのは必至で、予定されている中学校の段階的な35人学級をはじめ、年度当初に配置されるはずの教職員に不足が生じる恐れさえあります。ただでさえ、今年度10月1日時点で、35都道府県13政令市だけでも4615人の教職員未配置が発生しています。このタイミングでの解散が、子どもたちの学習権保障と、教職員の心身の健康を脅かすことになりかねません。
それ以外にも、急な選挙運営対応含め、自治体職員への過重な負担は確実です。
この選挙対応を短期間で迫られるのは学校現場も同様です。投票所の多くは学校を使用しています。投開票日に予定されていた学校行事は延期や中止を余儀なくされます。
全教は、大義名分のない、私利私欲に基づいた今回の衆議院解散を強く非難します。そもそも憲法第7条を理由にした解散の正当性をめぐって議論もされています。国会の私物化、選挙の私物化は、議会制民主主義を弄ぶ暴挙です。日本国憲法を尊重し、民主主義のもとで、市民のための政治が行われるよう、私たちは投票行動で実現していくために、全力でとりくみをすすめます。






