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(全教調査)会計年度任用職員アンケート「声を聴きタイキャンペーン2025」結果

目次

1.調査の目的

  • 学校で働く教育職以外の会計年度任用職員について、勤務実態と不安や悩みなどの声をつかみ、全教や各組織での処遇改善に向けた運動づくりに生かす。
  • 会計年度任用職員の組織化も意識し、対話のツールとして活用する。

2.実施時期・調査方法

(1)実施時期

回答募集

2025年4月末から8月末

集約

1次:2025年7月31日(木)

2次: 8月31日(日)

(2)集約方法

 配布したカードなどの二次元コードからGoogleフォームで回答

(3)調査項目

  • 勤務地
  • 年代
  • 職務の内容
  • 雇用主
  • 雇用時の説明の有無と方法
  • 勤務時間
  • 勤務時間把握の方法
  • 時間外手当の有無
  • 時間外勤務などの実態
  • 雇用時の勤務条件と実際の勤務実態
  • ハラスメントや不利益扱いの有無
  • 不安やストレスの有無
  • 家計を支えているか
  • 待遇改善についての要求
  • 日頃から感じている疑問や改善点

3.調査結果の概要

  • 会計年度任用職員の職種は児童生徒にかかわるものから、給食・校務・就職支援など多岐に渡る。勤務時間は数時間からフルタイムまであった。
  • 雇用時の説明、勤務実態把握など、自治体や学校によって対応に差がある。雇用時に文書も口頭説明も受けていない例もあった。
  • 雇用継続や賃金、休暇制度への要求が高い。また、仕事を行う上で必要な情報共有や物品支給への要望も多い。
  • 時間外勤務、残業代不払い、都道府県と市町村の待遇の差、ハラスメントなど、物心両面で不利益やダメージを負っている記述が多数あった。

4.調査への回答

(1)勤務地

  • 26都道府県1政令市から集約した。回答数は274人だった。
  • 回答するときに勤務地を選択するとき、都道府県のあとに政令市の表示がくるため、北九州市で勤務している回答者の多数が、福岡県と回答している可能性がある。

都道府県政令市ごとの回答数(都道府県は総務省都道府県コード順)

北海道

2

青森県

1

宮城県

6

秋田県

5

栃木県

64

群馬県

2

埼玉県

2

千葉県

11

東京都

22

神奈川県

7

富山県

1

長野県

3

岐阜県

25

静岡県

6

愛知県

8

滋賀県

7

京都府

10

兵庫県

8

和歌山県

3

島根県

1

岡山県

6

広島県

1

高知県

5

福岡県

38

佐賀県

2

長崎県

3

北九州市

25

(2)年代

年代別の回答者数

20歳代

14

30歳代

23

40歳代

50

50歳代

78

60歳代

85

70歳代

23

無回答

2

(3)職種(勤務時間は7時間45分未満で、給料は日給または時間給の方) 

  • 実習助手の会計年度任用職員から4件の回答があった。すべて福岡県内(北九州含む)だった。
  • 障がい者雇用の会計年度任用職員から2件の回答があった。どのような特有の課題があるか不明な部分が多い。
非常勤講師

58

介助員・支援員

42

学習・生活支援員

24

外国児童生徒支援員

1

不登校支援員

2

給食員

3

教員業務支援員

38

校務員・用務員

28

スクールカウンセラー

1

スクールソーシャルワーカー

2

学校司書

20

栄養職員

6

看護師

3

警備員

0

事務職員

25

無回答

3

その他

21

  • 介助員・支援員(特別支援が必要な児童生徒にかかわる業務)
  • 学習・生活支援員(授業等学校生活全般で児童生徒を支援する業務)
  • 給食員(調理や配膳にかかわる業務)
  • 教員業務支援員(指導場面以外での教員のアシスタント・サポート)
  • 校務員・用務員(設備管理の業務)
  • 栄養職員(給食計画や指導全般にかかわる業務)

その他の内訳(人数がないものは1人)

学校業務補助職員(障がい者雇用)、介護員、登校支援教室指導員、時短職員補完職員、障がい者雇用、暫定再任用短時間教諭、特別非常勤講師、学校事務補助員、地域創生キャリアプランナー、実習助手4人、日勤講師、指導案、非常勤教員、ICT支援員、常勤講師2人

(4)勤務時間と職種について

  • 「その他」30時間以上勤務の13件のうち、4件は実習助手(福岡2・北九州2)で、4件とも30時間の勤務。
  • 41時間以上の記述が5件あったが、1週間の勤務時間とは考えられないため「不明」とした。

(5)雇用主

都道府県教育委員会

128

市区町村の教育委員会

138

不明

4

無回答

4

  • 都道府県教育委員会には特別区、政令市の教育委員会を含む

                        

(6)雇用契約書を交わしたか

  • 雇用契約書を交わしていないという回答がある自治体は、27自治体中11あった。(下表)
  • 不明2件(栃木)
自治体名交わした交わしていない
北海道2
青森県1
宮城県42
秋田県5
栃木県575
群馬県2
埼玉県2
千葉県101
東京都166
神奈川県61
富山県1
長野県3
岐阜県241
静岡県51
愛知県8
滋賀県7
京都府82
兵庫県53
和歌山県3
島根県1
岡山県6
広島県1
高知県5
福岡県38
佐賀県2
長崎県3
北九州市232
都道府県政令市別回答

(7)任用時に雇用主から勤務条件についての説明

  • 勤務条件の説明がまったくないという回答は2件(神奈川・兵庫)。
  • 文書に基づいた説明を受けているという回答は60%弱。
  • 同じ自治体の中でも対応は分かれていた。学校ごとの対応で差が出ている。
    1. 文書にもとづき説明があった  159件 
    2. 文書はなく、口頭で説明された 6件/4府県(京都3、兵庫、滋賀、栃木)
    3. 文書はもらったが説明はなかった  99件/21県 
    4. 何もなかった  2件/神奈川・兵庫
    5. 不明  3件/宮城・愛知・岡山
    6. その他(自由記述)
      勤務時間や報酬単価等は勤務条件通知書に記載されているが、休暇等の説明はない(岐阜)
      採用面接時に説明があり、採用時に文書をもらった(千葉)
      複数校勤務だが、説明の有無はそれぞれ(岡山)
  • 無回答3

(8)勤務時間及び勤務実態について

  • 自治体の中でも対応が分かれている。学校ごとに対応の差がある。
  • 時間外手当支給がされていないという回答は60%。いろいろな職種、勤務時間、自治体にまたがっている。
  • ボーナス支給は時間数が週20時間以上働いている人が「ない」と回答している。29時間の人にも見られる。
  • 一方で週5~6時間勤務の人がボーナス支給が「ある」と回答している場合もある。
  • 時間外勤務があるという回答が104件。内3時間以上残業している件数は30件。
  • エ⑤⑥と答えた人で残業代支給がないと答えた人は、25人/30人。

ア 勤務時間把握はされていますか?

タイムカードで出退勤時刻を把握

114件/13自治体(北九州市は回答者全員)

自己申告制で出退勤時刻を記録

76件/20自治体

勤務実績簿のみで出退勤時刻は記録しない

83件/20自治体

無回答

1

イ 時間外勤務手当は支給されていますか? 

超過した勤務時間に応じた手当支給がある

83件/19自治体

支給されるが上限がある

13件/7自治体

支給されない

169件/25自治体

無回答

1

ウ 期末・勤勉手当(ボーナス)は支給されましたか?

支給あり

219件

支給なし

50件

無回答

5件

エ 平均して、週何時間くらい時間外勤務(超過勤務)をしていますか?

ほとんどない

166件

週に1時間程度

23件

週に2時間程度

27件

週に3時間程度

24件

週に10時間未満

27件

週に10時間を超える

4件

無回答

3件

自治体名ほとんどない1時間程度2時間程度3時間程度10時間未満10時間超無回答
北海道11
青森県1
宮城県2211
秋田県5
栃木県37488511
群馬県11
埼玉県11
千葉県4232
東京都132241
神奈川県412
富山県1
長野県21
岐阜県163321
静岡県321
愛知県71
滋賀県2311
京都府5113
兵庫県3212
和歌山県21
島根県1
岡山県2121
広島県1
高知県2111
福岡県31222
佐賀県2
長崎県21
北九州市191131
都道府県政令市別回答数

(9)-1、任用時の「面接」や「電話」等の対応で気になったことや、勤務条件等が事前の話と違っていたことなどはありませんでしたか?(違う仕事をさせられた等)

自治体名ありなし
北海道2
青森県1
宮城県15
秋田県5
栃木県1548
群馬県2
埼玉県2
千葉県56
東京都319
神奈川県25
富山県1
長野県12
岐阜県421
静岡県
愛知県17
滋賀県34
京都府19
兵庫県53
和歌山県12
島根県1
岡山県6
広島県1
高知県4
福岡県630
佐賀県2
長崎県3
北九州市421
都道府県政令市別回答

この他に無回答4

(9)-2 「あった」場合、具体的にお書きください。(回答の一部)

  • 業務外の定期考査の作問、採点、成績処理等(非常勤講師)
  • 教科指導といわれていたのに重度の子の自立活動指導へ(非常勤)
  • 週3日勤務の場合、1校勤務であるのに、2校勤務になった。年度はじめまでに1名司書が決まらず、決まるまでの期間だったが、事前の相談もなく、辞令を見て知った。(司書)

(10)-1、職場でハラスメントなど不利益な扱いを受けたことはありませんでしたか?

 「あり」との回答が41件

(10)-2「あった」場合、具体的にお書きください。

  • ハラスメント(無視、叱責、セクハラ、差別等)
  • 不適切な処遇や対応について…交通費、無理な仕事量、非常勤の働き方の周知がされていない、有休をとろうしたら他の日に勝手に振替

ハラスメントの例

  • 教員からイジメを受けた。意味のわからない暴言、教員よりも介助等がうまいと、次回から児童に触れさせないようにする。児童がいるとー教室内で正座など。他の教員がいつも助けてくれた。(介助・支援員)
  • 臨任の人にパワハラされた。しかし当時の上司は何もしてくれなかった。(学校業務支援員)
  • 教員と会計年度職員は立場が違うという話をされ、態度もあからさまに変えられた。(教員業務支援員)
  • 飲み会でのセクハラ行為、日常会話でのセクハラ発言(学校業務支援員)
  • 無視、暴言、自分だけお礼を言われない。未経験で指導書の存在も知らない状態 でTTの為教室に行ったら座っていられない子5人を連れて別教室で授業を進めるように言われ、最後の練習問題が終わらなかったら詰められた。(学習・生活支援員)

処遇・不適切な対応の例

  • 給食時間(休憩時間)に話しがあると上司言われ、長期時間に拘束され、昼休み中に急いで給食をたべた。日課や来客対応の指示がなかったり、変更になっていたことが度々あり、連絡がなく現場が混乱したこと。(事務職員)
  • 新しいものや壊れていない、PCや、電話受け台、机、椅子など新しいものは全部常勤の職員でわけて使い、会計年度職員は古いあまりの備品があてがわれた。椅子と机の高さが合わず、椅子の上下調節が壊れているものをあてがわれるので腰痛になった。パワハラもどきの事をされたり、言われたりする。(介助員・支援員)
  • 例えば 運動会や文化祭が 土曜の場合、土曜に出勤して、月曜に代休を取るのが当たり前だと 思われている。その時、休日出勤の割増賃金が加算されていない。休憩時間に仕事を任されていて、休憩を取れたことがない。休憩時間分、多く労働させられている。たった 15分勤務が少ないからと言って、パート扱いになり、フルタイムより待遇が悪い。退職金が出ないなど。県費の非常勤講師より 多くの仕事を任されているのに 賃金が安い。(学習・生活支援員)
  • 通勤費が実際にかかっている費用より少額である。(非常勤講師)
  • 色々あり過ぎて書ききれない。(介助員・支援員)

(11)仕事を失うことに不安やストレスはありますか?

回答20代30代40代50代60代70代以上
ある7153145237
少しある2712203211
どちらともいえない15
あまりない4157134
ない15105
世代別の回答
  • この他に無回答4

(12)主に家計をささえているのは誰ですか?

選択肢20代30代40代50代60代70代以上
自分3615134117
自分を含む複数66617275
配偶者/親511284814
公的年金1
世代別の回答

(13)労働環境・待遇についてあなたが改善してほしいことは何ですか?(3つまで) 

  • 多くの人がまず挙げるのが、安定的な雇用と賃金アップ。勤務時間の拡大も。
  • 必要な情報の共有や必要な備品の供給など、業務内容にかかわる基本的なことで困っている様子がうかがえる。
  • サービス残業やパワハラ・セクハラも上がっており、見過ごせない。

(14)日頃から感じている不安や疑問、改善してほしいこと(自由記述より)

  • 5時間の市事務の会計年度任用職員は社会保険どころか雇用保険にも加入していないので、離職後は失業給付金も貰えないことが不安です。会計年度任用職員のため、時間外勤務はサービス残業になりがちです。授業の5時間目以降、教職員が戻るまで退勤できないので、下校指導から学校へ戻ってくるまでは必ずサービス残業です。小規模校なので、管理職が出張や授業等で職員室不在が多く、学校全体の勤務人数が少ないので毎日出勤しなくては、職員室対応する電話番や来客する人がいなくなってしまうので、契約上は月17日勤務だが毎日出勤し、長期休みに振り替えている。学校の規模に応じての時間や勤務時間だろうが、勤務日や勤務時間を拡大を要望しても対応してもらえないので、会計年度任用職員の暗黙の了解です。(事務職員)
  • 職員会や朝礼に出ないので、情報が把握できていないことが多く、すぐに分かるネットワークを確立していただきたい。(非常勤講師)
  • 介護休暇や看護休暇が5日間あるが、無休扱いになるので正職員は有休なのに対して会計年度は無休なのは同等に扱っていただきたい。1年間で5日は少ない。(介助員・支援員)
  • 個人のパソコンがほしい。時給制だと勤務日数が少ない時の給料が少ない。休憩時間に休憩できず働いているのに給料が休憩時間分でない。学力調査などホームページにのせる文章を考えさせる仕事。学校ではこの職の人はやっていないのにやらされている。(学習・生活支援員)
  • 学校での作業中で身体障害になったが保証がなく、何の対応も無い。(公務員・用務員)
  • 県費の栄養職員と仕事の量は変わらないのに、給料に差がかなりある。(栄養職員)
  • 会計年度職員なので、毎年2〜3月頃は、次年度も引き続き採用されるのか不安になります。その職種である程度(3年とか)の年数働けば、常勤になれるなどに安定した雇用で雇ってほしいです。(教員業務支援員)
  • 8時45分から15時30分の勤務。朝、8時45分はもう子供達は勉強がはじまってる中、先生達に自分の動きの確認をしなければならない。帰り、子供達がまだ帰ってないのに、ぬけて帰らなければならない。もっと学校の時間にあわせた勤務時間にしてほしい。(介助員・支援員)
  • スクールバスの介護員。交通渋滞なども考え、始発のバス停まで、充分に余裕を持って自宅を出ます。バス停では始業時刻まで、エンジンをかけて車で待機しています。交通費は自宅からバス停までの分は出ていますが、待機している間の分は出ていません。待機している間のガソリン代もプラスで支給して欲しいです。(介助員・支援員)
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