全教(全日本教職員組合)が作成した「1年単位の変形労働時間制」導入反対の学習動画を紹介します。
文科省は、昨年12月に可決された「給特法一部改正法」のうち、勤務時間の上限に関する7条関係について、1月17日、地方議会での条例化をすすめるため、2018年1月の「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」(以下、上限ガイドライン」)をもとに「在校等時間」の「上限指針」を作成し、省令として告示しました。この「上限指針」の内容は、ほとんど「上限ガイドライン」を 踏襲したものですが、終業から始業までのインターバルの確保や「在校等時間」の虚偽の記録をしないことなどが留意事項に盛り込まれています。これらは、昨年の国会での附帯決議を一定反映したものといえます。2020年4月の法律施行に向けて 2019年度内に都道府県・政令市の条例化が必要とされていましたが、文科省によれば、2月議会での条例化は6割の都道府県・政令市にとどまり、1割が「6月議会での条例化を予定」、1割が「すでにある条例で根拠づけられる」としています。
「1年単位の変形労働時間制」導入のための5条関係について、文科省は、2020年3月末までに中教審の審議を踏まえて「1年単位の変形労働時間制」導入のための「指針」と条例のモデル案を作成して省令として告示し、2020年6月または9月の地方議会での条例化をめざすとしていました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大のため、中教審の開催が見送られ、現時点においても5条関係の「指針」は示されていません。そのため6月議会での条例制定は不可能な状況です。
しかし、2021年4月には「1年単位の変形労働時間制」導入にかかわる法律が施行されるため、9月議会での条例化がねらわれていることは間違いありません。
「1年単位の変形労働時間制」は、30日前までにすべての労働者の日ごとの勤務時間を決め、それを変更することが認められない制度です。この間の「一律休校」や「学校再開」等をめぐる動きを見れば、学校現場にこの制度を導入する余地が無いことはあきらかです。
全教は、「1年単位の変形労働時間制」の問題点をあきらかにし、職場・地域で話し合い、「反対」の声を広げていくため、学習動画:「1年単位の変形労働時間制」導入反対~みんなの力で「せんせい ふやそう」を作成しました。パワーポイントに音声を入れたもので、YouTubeで視聴できます。