2017年5月13日に開催した全教北九州市教職員組合第10回定期大会で採択した大会アピールです。
全教北九州第10回定期大会は、4月6日、国民の思想や内心を処罰の対象とする共謀罪法案を「組織犯罪処罰法改正案」と名称を変えて国会での審議入りが強行され、「戦争する国」づくりをよりいっそうすすめられる情勢のもとで開催されました。
また文部科学省は、次期幼稚園教育要領、小学校及び中学校の学習指導要領を3月31日に告示しました。幼稚園教育要領は2018年度、小学校学習指導要領は2020年度、中学校学習指導要領は2021年度から本格実施となります。改訂学習指導要領は、学校教育を通じてグローバル人材の育成、「愛国心」の押しつけなど、国や財界の意向にそった人材を育成するものになっています。同日、安倍政権は、「教育勅語を憲法や教育基本法に反しないような形で教材として用いることまでは、否定されることではない」と閣議決定をおこないました。前後して稲田防衛大臣、松野文科大臣、菅官房長官、義家文科副大臣もそれぞれ教育勅語を容認する発言をおこなっています。安倍政権の危険な道筋が益々明らかになっています。さらに安倍首相は5月3日の改憲派の憲法討論集会に「東京五輪が開催される2020年を新しい憲法が施行される年にしたいと強く願う」というメッセージを送り、憲法改正への並々ならぬ決意を示しました。期限を切ったことに、自民党議員の中からも疑問を呈する声が相次いでいます。
一方、北九州市教育委員会は、学力向上・体力向上の名のもとに次々と施策を打ち出しています。本来の仕事である豊かな教育を実現するための教育条件整備をしていくという仕事を棚上げし、教育内容の管理統制を強め、長時間過密労働を助長しています。この流れを、市民や民主団体と手をつなぎ、断ち切っていかなければなりません。
加えて、権限移譲により私達は4月から北九州市の職員となりました。これに伴い、給与を含む勤務労働条件が大きく切り下げられました。職場では、長時間過密労働が働く教職員の心と身体を蝕んでいます。4月当初から教員が不足し、正規教職員だけでなく、多くの臨時教職員が厳しい労働条件の中で苦しんでいます。今こそ、全ての教職員が気持ちを一つにし、本来楽しいものであるはずの「働く」ということから、楽しさを奪っている者に対して声をあげていかなければなりません。
討論では、「声をかける、話を聞く、つながる」全教運動を地道に行うことが、職場を楽しくし全教北九州を大きく強くしていくこと、教育と自由を守るための礎になることを確信しました。
憲法、平和、命、教育の自由を守るために力を合わせましょう。 全教北九州は、教え子を再び戦場に送らない決意とともに、子どもたちに寄り添い、憲法と子どもの権利条約にもとづいた運動をすすめていく決意をするとともに、すべての教職員、保護者のみなさんにそのための共同を本大会の名において呼びかけます。