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全国の学校現場から「このままでは学校がもたない」という深刻な危機感が訴えられ、長時間過密労働と教職員未配置の解消のための施策を提言することが中教審の中心課題でした。しかし、「まとめ」は教育予算の大幅増額を必要とする施策を求めていません。これでは、長時間労働と教職員未配置は解消しません。「まとめ」はわたしたちの願いに応えていません。

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中教審「まとめ」では長時間労働と教職員未配置は解決しない

教員の志望者減少・採用倍率低下、早期退職の増加、病休者の高止まりなど、多くの問題が全国的に広がっています。

5月13日、中教審・質の高い教師の確保特別部会は答申に先立ち「審議のまとめ」を発表しました。「まとめ」が求める施策は本当に「改善」につながるのでしょうか?

中教審「審議のまとめ」の問題点

①教職調整額4%を10%以上に引き上げ

現在の勤務時間外の労働時間から見ると、10%にしてもまったく割に合いません。「引き上げたから、今まで通り勤務時間外も働け。」ということになりかねません。

②担任手当の創設

「担任の業務は大変だからそれに見合った手当を」という趣旨は妥当とも思えます。しかし、「手当を支給するから自分のクラスに責任を持て。」という体制づくりの理由となったら、今よりも担任は大変なことになります。

③管理職手当を増額

手当が増額すれば管理職志願者が増えるのでしょうか。業務も責任も増えている管理職の「働き方改革」をすすめることが必要ではないでしょうか。

④小学校教科担任制を中学年から適用

持ち時間数がほぼ30時間、トイレにも行けない小学校教員が多数います。小学校教員の持ち時間数を減らすことは必要です。問題は、そのため人の配置ができるか、連絡や調整のための時間を生み出せるかです。小学校での教科担任制についてはまだ議論が必要です。

⑤小中学校の授業時間を5分短縮

教える内容が軽減されないと、授業についてこれない子どもたちが今より増える可能性があります。さらに、「余った時間を学校裁量に」ということが趣旨となっています。その時間に「何をするかを教員が新たに考えなくてはいけない。」と負担がむしろ増やされることとなります。

⑥教員採用試験の前倒し実施

今年度は6月、来年度は5月実施とも言われています。現行のスケジュールでは、新卒者が民間に流れるのでそれを防ぐという理由です。しかし、臨時教員にとっては、ただでさえ忙しい年度当初に試験の準備が必要となってしまいます。教職志願者を増やすためには、「教職にやりがいを感じる」「教職の働き方に不安がない」「待遇が良い」職業とすることが必要です。

⑦教諭の上に新たに「主任教諭」を創設

その目的は、「若手教師へのサポート」「子どもの抱える課題や学校横断的な取組への対応」とされています。しかし、試験を実施したり人事評価を用いたりすることで教員に対する管理を強化し、財源まで一般教員の給与の引き下げになるのではという不安があります。

必要な施策は何か

「まとめ」では、長時間過密労働解消と教職員未配置をはじめとする問題は解消できません。一番求められるのは、「教育予算を増やし、人を増やし、仕事を減らす」ことではないでしょうか。

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