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未来を担う子どもたちのために、教職員を増やす!(2023メーデー)

この文章は、2023年5月1日の第93回北九州統一メーデーで行った全教北九州市教職員組合の発言です。


みなさん、「給特法」ってご存じですか?「給特法」とは「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」と言い、今から52年前の1971年に制定されました。教育においては「教員の自発性、創造性に基づく勤務に期待される面が大きい」として、「超勤限定4項目以外に超勤は命じない」とし、民間や公務の行政職が行っている、一般的な勤務時間の管理にもとづく時間外手当ではなく、「勤務時間の内外を問わず、包括的に評価」した「教職調整額」を一律的に支給することになりました。その額は1966年度の文部省調査における、時間外勤務の実態にもとづいて計算され、本俸の4%とされました。当時の超過勤務時間の平均が週1時間48分だったことから4パーセントの金額が計算されました。

しかし2016年度の文科省調査では、小学校で週当たり18時間44分、中学校で24時間35分の時間外勤務があり、平均すると所定の勤務時間の55.9%となり、4%の数字が現実と大きく乖離していることが改めて明確になりました。

超勤4項目とは、

  1. 生徒の実習
  2. 学校の行事
  3. 職員会議
  4. 非常災害などやむを得ない場合の業務

の4つなのですが、これ以外の業務でみんな遅くまで仕事をせざるを得ない状態になっているのです。そうはいっても早く帰らないといけない人もいますので、そういう人は土日に学校に行ったり仕事を持ち帰ったりしています。

そのような実態が誰の目にも明らかになって放置できなくなり、ようやく国も給特法を見直すことになりました。時間外手当をつけるか、教職調整額を上げるか、何か他の手当てをつけるか等、考えているようです。しかし、文科省が2016年度の調査に基づいて時間外手当を支給するとしたらいくらかかるか計算したところ、国と地方合わせて総額9000億円が必要だということになりました。これは教職員14万人分の給与にあたります。小中学校の教員は約68万人なので、5人で6人分の仕事をしていることになります。そのために、勤務時間内に仕事が終わらないのです。

教員仲間と話をすると、教職調整額が上がったり、時間外手当が出ればそれでいいという人は誰もいません。それよりも、勤務時間内に仕事を終わらせて、自分の時間や家族との時間を大事にしたいと言います。

つまりは、教員を増やす以外に解決はしないのです。教員だけではありません。今学校には、教員以外の職種の方がたくさんいて、総力で学校を切り盛りしています。事務職員、養護教諭、カウンセラー、英語の授業のための職員、ICT支援員、これはタブレット授業などを支援してくれる人です、他にもスクールサポートスタッフなど。そのどれもが人が足りません。教科を増やし授業内容を増やし、GIGAスクールだなんだのと学校の仕事を増やしたのは国なのだから、国は責任もって教職員を増やすべきです。大軍拡などもっての外です。本日プラカードでもアピールしていますので、ご覧ください。

未来を担う子どもたちのために、教職員を増やす!みなさんの力も貸してください。

これで、発言を終わります。

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