全教北九州市教職員組合(全教北九州)
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請願趣旨

文部科学省の2015年度「学校基本調査」によれば、高等教育機関(大学・短大・高専・専修学校)への進学率は8割に達しています(過年度高卒者等を含む)。その約半数が貸与制奨学金を利用し、多くの学生が多額の借金を抱えて卒業しています。

2017年度から大学生への「給付型奨学金」が一部始まりますが、対象者が限定され、給付額も低く抑えられ、決して十分なものとはいえません。また、文部科学省は2018年度の大学等への入学生から「新たな所得連動返還型奨学金制度」を実施する準備をすすめています。これは大学卒業後の所得に応じて月々の返済額を決める制度で「奨学金返還の負担を軽減するため」と説明していますが、マイナンバーの導入を前提としている点や収入ゼロでも2000円の返済を求めたり、第2種(有利子)や現在返還中の者には適用されないなど、多くの問題を持った制度です。

奨学金は給付が基本であり、貸与の奨学金は「教育ローン」と同じです。日本政府が2012年9月に留保撤回した国際人権規約が求める無償教育を実現するためにも給付制奨学金の充実こそ必要です。

これまで、OECD加盟35ヵ国中17ヵ国が大学授業料を無償(有償でも極めて安価)とし、さらに、日本とアイスランド以外の国には給付制奨学金がありました。アイスランドの大学授業料は無償なので、大学授業料が有償で給付制奨学金がないのは日本だけという事態になっていました。

そして、2018年度から住民税非課税世帯、1学年2万人を対象に、月2~4万円を給付する「給付型奨学金」制度が創設されました。2017年度は「特に経済的に厳しい状況にある学生を対象に、一部先行して実施する」ことが予算措置されましたが、その数は2,800人とあまりにも少ない数に抑えられています。給付制の奨学金が始まることは前進ですが、OECD諸国と比べて決して十分なものとは言えません。さらに前進させ、高校生等が経済的理由により進学をあきらめることがないよう、給付制奨学金制度の拡充が求められています。

日本の「教育機関への公財政支出の対GDP比(2014年度)」は3.2%でOECD諸国35ヵ国中、下から2番目の低さとなっています。段階的にOECD平均並みの4.5%まで引き上げていけば、就学前から大学まで教育の無償化をすすめることが可能となります。一日も早く、公私ともに高校・大学の無償化を前進させ、社会全体で高校生・大学生の学びを支えることが強く求められています。

以上の趣旨に沿って、下記について、国に対する意見書を採択してください。

「大学生への給付制奨学金制度の拡充」を求める意見書

文部科学省の2015 年度「学校基本調査」によれば、高等教育機関(大学・短大・高専・専修学校)への進学率は8 割に達しています(過年度高卒者等を含む)。その約半数が貸与制奨学金を利用し、多くの学生が多額の借金を抱えて卒業しています。

2017年度から大学生への「給付型奨学金」が一部始まりますが、対象者が限定され、給付額も低く抑えられ、決して十分なものとはいえません。また、文部科学省は2018年度の大学等への入学生から「新たな所得連動返還型奨学金制度」を実施する準備をすすめています。これは大学卒業後の所得に応じて月々の返済額を決める制度で「奨学金返還の負担を軽減するため」と説明していますが、マイナンバーの導入を前提としている点や収入ゼロでも2000円の返済を求めたり、第2種(有利子)や現在返還中の者には適用されないなど、多くの問題を持った制度です。

奨学金は給付が基本であり、貸与の奨学金は「教育ローン」と同じです。日本政府が2012年9月に留保撤回した国際人権規約が求める無償教育を実現するためにも給付制奨学金の充実こそ必要です。

これまで、OECD加盟35ヵ国中17ヵ国が大学授業料を無償(有償でも極めて安価)とし、さらに、日本とアイスランド以外の国には給付制奨学金がありました。アイスランドの大学授業料は無償なので、大学授業料が有償で給付制奨学金がないのは日本だけという事態になっていました。

そして、2018年度から住民税非課税世帯、1学年2万人を対象に、月2~4万円を給付する「給付型奨学金」制度が創設されました。2017年度は「特に経済的に厳しい状況にある学生を対象に、一部先行して実施する」ことが予算措置されましたが、その数は2,800人とあまりにも少ない数に抑えられています。給付制の奨学金が始まることは前進ですが、OECD諸国と比べて決して十分なものとは言えません。さらに前進させ、高校生等が経済的理由により進学をあきらめることがないよう、給付制奨学金制度の拡充が求められています。

日本の「教育機関への公財政支出の対GDP比(2014年度)」は3.2%でOECD諸国35ヵ国中、下から2番目の低さとなっています。段階的にOECD平均並みの4.5%まで引き上げていけば、就学前から大学まで教育の無償化をすすめることが可能となります。一日も早く、公私ともに高校・大学の無償化を前進させ、社会全体で高校生・大学生の学びを支えることが強く求められています。

よって、北九州市議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請します。

国は、教育予算を増やして、大学生に対する給付制奨学金制度を拡充すること

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。